海坊主(ウミボウズ)【関東】
海に出るという妖怪。大きな影のような姿、大きな坊主のようなかたちなど、色々に形状は語られているが、あまりはっきりはしていない。船に海の水を入れて沈めてしまうなどと各地で語られている。お盆や大晦日は漁に出るものではないといい、船を出すと海坊主に遭うといわれてもいる。お盆の16日に船を出したら海坊主が信じられない大きさの船になって前方に現われ、ぶつかると思ったら寸前で消えた(【浦安の昔ばなし】)といった話もみられる。東京都では、品川(東京都品川区)の沖などによく出ると語られていた(【口承文芸(昔話・世間話・伝説)】)。神津島(東京都神津島村)などでは、海坊主が人に取り憑いたりするともいう(【民俗採訪】)。千葉県木更津市などでは、雨が降っていて風のある「なまの日」(雲行きの怪しい天気の日)には海坊主がよく出ると船乗り達のあいだでは語られていたという(【きさらづの民話】)。千葉県市川市塩浜などでは、お盆の海には海坊主が「柄杓を貸せーっ」と言ってよく出るといわれていた。無縁仏がこれになるとも語られている(【市川の伝承民話】)。千葉県銚子市などでは、夏の土用を過ぎた頃に海へ子供が遊びに行くと海坊主が出て来て攫われるといわれたという(【妖怪と出会う夏 in Chiba 2015】)。神奈川県鎌倉市などでは、海上で突然に舟が全く進まなくなってしまうことがあり、気づくと舟に海坊主が乗っていたなど、舟の上に乗って来るという話がいくつもみられる。狢たちが海坊主に化けて人を驚かしたといった話もしばしばあったようである(【としよりのはなし】)。
出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
作者ひとこと:
海坊主のデザインは、海から巨大で、真っ黒な上半身を出している妖怪の姿に描きました。目も鼻も口もない真っ黒で、のっぺりとした顔をしています。
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