オカンス転がし(オカンスコロガシ)
徳島県美馬市脇町の曽江(曽江名)の話。曽江のある家の奥に伏見(北庄伏見)へ行くための里道があり、そこに一本の榎の大木が生えていた。夏の夜更け、この石だらけの道を「グワラングワラン」と何かを引っ張って走るような賑やかな音が聞こえてくる。近くに住む人々は家の裏で騒がしくされるので寝ることができず、外に出て辺りを眺めても戸を開けた途端に音が止まってしまうという。これは榎の大木に棲み着いている古狸が夜遊びをしているのだろうと考え、鑵子を引きずって走るような音が聞こえるから「オカンス転がし」と言い伝えた。
出典:
日本怪異妖怪事典 四国(笠間書院)
作者ひとこと:
オカンス転がしのイラストは、鑵子に化けた狸というイメージで描きました。
