自己紹介

このブログでは、僕が描いた神話や伝説などに関する絵や、その絵の解説を載せています。
(イラスト、記事の執筆:マゴラカ、ワンタ) ※2024年度より、月・水・金曜日の21時に更新していきます。

2026年9月30日水曜日

「亀淵の河小僧」


亀淵の河小僧(カメブチノカワコゾウ)<火を貸(ヒヲカセ)>

[「カワコゾウ」と同じ河小僧の話]愛知県に伝わる。北設楽郡三輪村(現在の東栄町辺りか)の長岡と川合の境に亀淵という淵がある。大力で知られた杣職の鬼久右衛門(小石久右衛門)という者が、夜道を川合へ帰ろうと歩いていると、自分の前を7、8歳の禿の童子(小さな女の子、とも言われている)が歩いていく。声をかけても返事をせず、一定の距離を保って久右衛門の前を歩いていく。不思議だと思いながら歩いていくと、禿は亀淵の前で急に振り返って「火を貸せ」と言った(資料によって「おいお爺火をお貸せ」など台詞には異同がある)。亀淵には河小僧(いわゆる「河童」の類い)が出ると聞いていたので、これは子供ではなく河小僧だったかと考え、大きな煙管の雁首で禿を殴り付けた。すると禿の姿は消え、同時に久右衛門は身体が痺れて気を失ってしまった。翌日には気が付いたので帰宅できたという。その子は亀淵の主であるという。柳田國男が【妖怪名彙】に「ヒヲカセ」という名で載せた妖怪は、もとは「亀淵の河小僧」という話である。

出典:
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
亀淵の河小僧のデザインは、禿の童子姿の妖怪に描きました。