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2019年6月17日月曜日

「ガンダルヴァ」



ガンダルヴァ<楽乾闥婆王、健達婆、犍達縛、健闥婆、乾沓和、乾沓婆、彦達縛、犍陀羅、香神、嗅香、香陰、香音天>

インド神話に登場する、天界や空中に住む半神半獣の存在。その姿は獣の様に毛深い半人半獣の姿とも、肩から黄金の鳥の翼を生やした赤い逞しい体の人間の男性の上半身と鳥の下半身を持った半人半鳥の姿ともされる。また、頭には八角形の角が生えているともされる。ガンダルヴァ達は酒や食物を口から摂取する一般的な食事はせず、香りを栄養とし香りを嗅ぐことを食事としている。また、ガンダルヴァ自身の体からも常に香りが発せられている。ガンダルヴァの出生には様々な説があり、聖仙カシュヤパと妻アリシュターの間の子であるとも、創造神ブラフマーから生まれたとも言われる。また、水の精アプサラスと共に創造神プラジャーパティのばらばらになった身体から生まれたともされる。ガンダルヴァは6333柱おり、全て神々の帝王インドラに仕えており、大勢の神々が居る天界の宮殿で美しい音楽を奏でて神々を喜ばせる天の楽師隊である。天の宮殿で神々の宴が催された時、ガンダルヴァ達は音楽を奏で、ガンダルヴァ達の音楽に合わせてアプサラス達が舞い踊る。また、ガンダルヴァ達は神々の飲料ソーマを守護する任務も担っている。多くのガンダルヴァ達は女好きで肉欲が強いが、インドでは未婚の女性は結婚する前に一度、ガンダルヴァ、酒の神ソーマ、火の神アグニの妻になるという言い伝えから、ガンダルヴァは処女を保護する守護神でもある。女性のガンダルヴァもいるが、多くのガンダルヴァの妻はアプサラスである。ガンダルヴァとアプサラスの夫婦は結婚や妊娠、多産や豊穣を象徴するが、彼等は一方で人間に狂気を引き起こす事もあり、狂気を治療する為、ガンダルヴァやアプサラスに供物が捧げられる。仏教では乾闥婆と呼ばれ、香りを栄養とする為、あちこちを訪ね歩くため、食香、尋香行とも呼ばれる。乾闥婆は釈迦如来の眷属を務める八柱の神々、天竜八部衆の一員で帝釈天(インドラ)に仕えており、音楽を奏でて仕えている。また、仏教を守護する四天王に仕える八つの鬼神、八部鬼衆の一員でもあり東方を護る守護神、持国天の配下である。

出典:
Wikipedia
神の文化史事典(白水社)
ゼロから分かるインド神話(イースト・プレス)
仏教画伝 極彩色で蘇った一〇八の仏尊(G.B.)

作者ひとこと:
ガンダルヴァのデザインは、翼の生えた半人半獣の姿に描きました。天の楽師であるので、手には笛を持っています。

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