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2019年6月4日火曜日

「遺念火」



遺念火(イネンビ)<因縁火(インネンビ)>

沖縄地方に伝わる火の妖怪。遺念とは沖縄の言葉で亡霊を指し、この遺念が火となって現れたのが遺念火である。この火は彼方此方移動したり飛び回ったりせず、ほとんど同じ場所に現れる。出没場所は山中など人のいない寂しい場所が多いが、稀に海上にも現れる。遺念火は多くの場合、駆け落ちの末に行き倒れなど非業の最期を遂げた男女、恋愛のもつれによる心中した男女などが一組の火となって現れるとされ、様々な悲恋譚を伴っている。首里市の南にある識名坂に現れる遺念火は良く知られており、「トジ・マチャー・ビー」ともいう(トジは妻の意)。昔、ある仲の良い夫婦がいた。妻はいつも街に出て商売をしており、夫は帰りの遅い妻をいつも迎えに出ていた。ある時、二人の仲を妬んだ者が、夫に「お前の妻はいつも浮気をして遊び歩いている」と嘘を言った。夫は生き恥を晒す事を苦とし、識名川に身を投げた。やがて帰って来た妻はそれを知り、自分も身を投げた。以来、識名坂から識名川へと、二つへと、二つの遺念火が現れるようになった。名護市では昔、大変仲の良い若夫婦がおり、妻はいつも仕事に出て遅くに帰って来た。ある時、夫に魔が差し、妻が不貞を働いているのではと考えた。妻の帰り道、夫は変装して妻に襲い掛かった。妻は必死に抵抗し、簪で夫の喉を突き刺した。やっとのことで妻は家に帰ったが、そこに夫の姿ない。もしやと思い引き返すと、夫は既に死んでおり、あまりの悲嘆に妻は自害した。命がけで貞操を守った妻と、妻を疑った夫の無念が二つの無念火となって夜な夜な現れる。名護町では、ある女性が人目を忍び、険しい山を通って夜間の山頂で恋人と密会していた。ある暴風雨の夜、恋人の男はこの天候では女は来ないだろうと思って山へ行かなかったが、その時女は山頂にやって来ており、女は男の不実をなじって自殺した。男はそれを知り、自分の薄情さを悔やんで女の後を追って自殺した。以来、同じ時刻に、山頂に二つの火が現れるようになった。

出典:
Wikipedia

作者ひとこと:
遺念火のデザインは、手をつないだ二つの火の玉を描きました。火の真ん中に男女のマークを付けました。

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