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2019年6月8日土曜日
「アスラ」
アスラ<阿修羅>
インド神話、バラモン教、ヒンドゥー教における神族、または魔族の総称。本来、古代インドにおいてアスラは悪役的な要素はあまりなく、デーヴァ神族の王インドラに敵対する事もあり天空神であり、司法神であるヴァルナとその眷属を指していたが、その暗黒的、呪術的な側面が次第に強調されるようになり、時代が下るとアスラを魔族として扱うようになった。インド神話がバラモン教からヒンドゥー教へと発展し、シヴァ、ヴィシュヌが新しく主神となると、アスラはヴァルナの眷属であるという設定は無くなり、神々の敵対者、主にダーナヴァ族・ダイティヤ族の総称としてアスラの呼称は使われるようになった(カシュヤパ仙の憎しみから生まれた蛇の魔物ヴリトラや、シヴァの破壊衝動から生まれた魔物ジャランダーラなども、アスラとして扱われている為、必ずしもこの限りではない)。彼等はデーヴァの神々の様にアムリタを飲んでいない為、不死・不滅の存在ではないが、自らに想像を絶する厳しい苦行を課すことによって神々をも超越する力を獲得し、幾度となく神々から世界の主権を奪う事に成功している。仏教では天竜八部衆の一員として仏法の守護神であり、十大弟子と共に釈迦如来の眷属を務める。一方、衆生がその業の結果として輪廻転生する6種の世界である、六道の一つである阿修羅道に住んでいる。阿修羅道は妄執によって苦しむ争いの世界である。阿修羅道は人間達の住んでいる人間道の下とされるが、「起世経」によれば阿修羅達の身長は一由旬で、その寿命は一昼夜が人間世界の百年としての千歳。形色、楽、寿命の3点において人間に勝る。更に「正法念処経」によれば、衣食は望むままに現れ、天界と変わらぬ上等なものが得られる。しかし「大智度論」によれば、その食事は人間道に勝る食事ではあるが、竜王達の食事が最後の一口が蛙に変わるように、阿修羅達も食事を食べ終わる時、口の中に泥が広がってしまうのである。阿修羅達は元々天界の神であった。阿修羅達が天界を追われて、修羅界を形成したのには次のような話がある。元々阿修羅達は帝釈天が主である忉利天(トウリテン)に住んでいた。この時、阿修羅王には舎脂という娘がおり、阿修羅王は娘をいずれ帝釈天に嫁がせたいと思っていた。しかし帝釈天は舎脂を力ずくで奪った(誘拐して凌辱したとも言われる)。それを怒った阿修羅王が帝釈天に戦いを挑んだ。帝釈天も配下の四天王などや三十三天の神々の軍勢を遣わして応戦し、この戦いは天道を揺るがす大戦乱になった。しかし戦いは帝釈天側の優勢で、舎脂も帝釈天を許してその正妻になっていた。しかし阿修羅達は帝釈天側に戦いを挑む内に赦す心を失ってしまった。そして遂に阿修羅達は敗北に追いやられ、帝釈天達によって最終的に忉利天から追放され、人間道と餓鬼道の間に阿修羅道が加えられた。阿修羅の姿は三面六臂で身体は青黒く顔は常に忿怒の相である。
出典:
Wikipedia
地獄ものがたり(徳間書店)
神の文化史事典(白水社)
作者ひとこと:
アスラのデザインは、三面六臂の鬼神の様な姿に描きました。
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