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2019年11月27日水曜日

「ムルアヅルクール」



ムルアヅルクール<ムロワヅルクール>

パラオのペリリュー島に伝わる人食いの悪魔、または悪神。ムルアヅルクールの口は縦に付いている。この悪神はガシヤスという所に住んでおり、ガシヤスの周辺に住んでいる人々が火を焚いていると、このムルアヅルクールが現れて人々を取って喰った。その為ガシヤスの人々は、ガシヤスから逃げてミユンスという所に移ったが、人々の避難の最中「イリリス」という老婆だけがガシヤスからミユンスに向かう船に乗り遅れ、たった一人ガシヤスに取り残された。イリリスは仕方なく洞窟の中で隠れて暮らしていたが、やがて神の申し子である兄弟、兄の「ルス・ベデゲル(全身針の生えた男)」と弟の「ヘレヤル・ベデゲル(全身コブで不死身の男)」を産んだ。兄弟が15歳になったある日、兄弟はいつも食事が火を焚かないで生で食べている事に疑問を持ち、母のイリリスに聞いてみると、火に誘われて現れ人間を取って喰うムルアヅルクールの事を聞いた。それからしばらくしたある日、兄弟が船着場で歌を唄いながら釣りをしていると、そこにムルアヅルクールが現れた。しかし兄のルス・ベデゲルは果敢にも、この悪神に立ち向かって行き、ムルアヅルクールの口から、この悪神の腹の中に飛び込み、無茶苦茶にこの悪神の腹の中をかき破った。弟のヘレヤル・ベデゲルも石を投げて悪神を攻撃し、とうとうムルアヅルクールを退治した。やがてムルアヅルクールがいなくなってミユンスから戻って来た村人達から兄弟は悪神退治の功績を讃えられて、兄弟は村人達から公集屋(共同住宅)の修理の為に薪を手に入れる権利を貰った。

出典:
幻想動物の事典
神様コレクション
ステワ・ルトゥは夜に啼く

作者ひとこと:
ムルアヅルクールのデザインは、口が縦に付いている姿の人食いの悪神を描きました。

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