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2020年2月2日日曜日

「意富加牟豆美命」



意富加牟豆美命(オオカムズミノミコト)

日本神話(「日本書紀(ニホンショキ)」、「古事記(コジキ)」の記紀神話)に登場する桃であり神。「日本書紀」では「神産み」の第九の一書に登場する。それによると、伊邪那岐命(イザナギノミコト)は黄泉国で八柱の雷公に追われる。その時、道端に桃の木があり、伊邪那岐命はその桃の木の下に隠れて追い掛けて来る雷公達に桃の実を採って投げつけると、雷公達は撤退していった。これが、桃を用いて鬼を避ける由縁であると記されている。「古事記」では黄泉国の条に登場する。伊邪那岐命は黄泉国の住人となってしまった伊邪那美命との約束を破り、黄泉国の御殿の奥で腐り果てた伊邪那美命を見てしまい、その姿に恐れをなして逃げ出した。約束を違えられ、腐り果てた自分の姿を見られて辱められた伊邪那美命は、伊邪那岐神を捕らえる為に追っ手として黄泉軍(ヨモツイクサ)や黄泉醜女(ヨモツシコメ)などの黄泉国の魔物達を差し向けた。伊邪那岐命は追い掛けて来る黄泉国の魔物達をなんとかかわしながら、黄泉国と現世の境界にある坂「黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)」まで逃げて来た時、黄泉比良坂の麓に桃の木が生えていた。伊邪那岐命は桃の木から桃の実を三つ採って、追い掛けて来る黄泉国の魔物達に投げつけると、黄泉国の魔物達は全て逃げ去った。この功績により、桃の実は伊邪那岐命から「意富加牟豆美命」の神名を授けられ、そして伊邪那岐命に「お前が私を助けたように、葦原中国(アシハラノナカツクニ※地上世界の事)のあらゆる生ある人々が、苦しみに落ち、悲しみ悩む時に助けてやってくれ」と命じられた。なお、「日本書紀」では桃は登場するが、名前は記されていない。意富加牟豆美命の名前のオオカムは「大神」、ミは「実」ないし「霊」の意味で、「大いなる神のミ(霊威)」または「大いなる神の実」という意味で、桃の邪気を払うとされる力を神格化したものである。

出典:
Wikipedia
神魔精妖名辞典
図解日本神話(新紀元社)

作者ひとこと:
意富加牟豆美命のデザインは、頭に大きな桃の実を載せた童子や妖精の様な姿に描きました。

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