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2020年3月22日日曜日
「送り狐」
送り狐(オクリギツネ)
日本の群馬県桐生市梅田町浅部字栗生に伝わる妖怪で、化け狐の一種。昔、この地には化け狐が住んでおり、夜な夜な一つ目小僧や大入道に化けては人々を脅していた。また夜道では大きな倒木に化けて、そこを通る人々の交通を邪魔したりした。ある夜、一人の山伏が夜道を歩いていると、例の化け狐が大木に化けて、その道を塞いでいた。しかし山伏は、この大木は狐が変化したものであると見破り、自身の仙術で逆に化け狐の変化を破って通り過ぎて行った。化け狐はそのままその場所で動けなくなってしまい、翌朝になって人々に見つかり、縛り上げられてしまった。人々は今まで散々この化け狐に化かされて来たので、捕まった化け狐に怨みを込めて「狐汁にしてしまえ」と口々に言って騒いでいる所に、昨夜の山伏がやって来て化け狐に「良いことをすれば良いことがあるが、悪さをすれば、このように悪い目に遭う」と諭した。そして山伏は化け狐に、これからは夜道を歩く人々の道案内をする事を勧め、狐の命を助けて山へ返してやった。以来、この狐は夜道の守り神となり、夜道を歩く人々が迷ったり危ない目に遭ったりしないよう、姿を消して、夜道を歩いている人の後ろの草むらでガサガサ音を立てながら、その人が無事に辿り着くまでの間、後をついて来て、その人の安全を守ってくれた。また、夜道を歩いている人、その人にしか聞こえない声で道を教え、道に迷わないように無事に送り届けた。以来、その辺りでは誰も夜道に迷わなくなり、この狐に送ってもらった人々は狐に感謝の意を込めて、狐に好物である油揚げや赤飯を供えるようになった。そして、いつしか誰となく、この狐を「送り狐」と呼ぶようになったという。
出典:
Wikipedia
和漢百魅缶
作者ひとこと:
送り狐のデザインは、手に短い錫杖と巻物を持った狐の姿に描きました。
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