ページ

2020年4月21日火曜日

「オマク」



オマク

岩手県遠野地方に伝わる怪異。生者や死者の思いが幻となって現れ、人の目に見えるというもの。「遠野物語拾遺」には多数の類話が見える。例えば以下のような話がある。土淵村(現在の岩手県遠野市)では、火事になった光岸寺の再建現場の昼休み、40人~50人いた大工たちの前に、棟梁の娘である美しい女性がやってきた。しかし、その娘は病に伏せて外出など出来ない状態のはずだった。棟梁はもう永くないのだろうと思っていると、その通り翌日に亡くなってしまったという。また、遠野の裏町のある家では、病の子供が瀕死の状態であるのに、可愛がってくれた者のところへ現れたという。その子供に「遅いので、すぐ帰れ」と言ったが、気になって見舞いに行くと、その子は先刻息を引き取ったが、今また生き返ったと大騒ぎになっていたという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
オマクのデザインは、頭に簪を挿した女性の霊の様な姿に描きました。顔が紙の面で隠れているのは、顔を見てなくする事で、この世の存在ではない事を表しています。

0 件のコメント:

コメントを投稿