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2020年9月23日水曜日

「山都」


山都(サント)

中国に伝わる神の一種。山都は南康(ナンコウ。江西省)に住んでいたという山神である。山都は人間の様な姿をしていて、身長は50㎝くらい。体の色は黒く、目は赤い。そして黄色い髪の毛で全身が覆われているという。ただし山都は自由自在に姿を変える事が出来るという。山都は奥深い山中に住んでおり、石をひっくり返しては蟹を見つけて食べているという。山都は樹木の上に巣を作るという。その巣は、全体として見ると木筒の様で、横に穴が開いており、巣自体はとても軽い。巣の内側は鳥の卵の様な形をしており、すべすべで、鮮やかな色をしているという。巣は二つ重なっており、その二つの巣は中央で繋がっているという。地元では「上が雄の山都の巣で、下が雌の山都の巣だ」と言われていたという。また、巣の中央の寝床の部分には羽毛が敷かれているという。伝説によると、南宋の頃、山都の住む樹木を切り倒し、山都の巣を家に持ち帰った者がいた。すると、その日の夜中にその者の家から出火し、家が丸焼けになってしまったという。これは、巣を奪われた復讐として山都が、巣を奪った者の家を焼いたのだという。

出典:
フランボワイヤン・ワールド
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)

作者ひとこと:
山都のデザインは、長い髪の毛で覆っている黒い体の小鬼の様な姿に描きました。

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