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2020年9月3日木曜日

「蒲牢」



蒲牢(ホロウ)

中国に伝わる伝説上の生物で、龍が生んだ九匹の子である「龍生九子(リュウセイキュウシ)の内の一体。龍生九子は、それぞれ姿形も性格も異なっている。龍生九子は各々の性格に合わせた場所で各々の活躍を見せるが、親である龍になる事は出来なかったという。これを「龍生九子不成龍」と言う。また、兄弟でも性格が違う事を指して、この言葉を用いる事もある。龍生九子という言葉は古くからあったが、その龍が生んだ子が、どのようなものだったのかはずっと語られなかった。明の時代になると、その子が一体一体、様々な書物に記載されるようになったが、記載されている書物によって名前・順序が異なる。蒲牢は龍に似た姿をしており、海岸に住んでいると言われている。蒲牢は吼える事を好むという。蒲牢が吼えるのは、蒲牢が鯨を襲っている時だとされている。また逆の説では、蒲牢は鯨を恐れており、鯨も蒲牢を見つけると、蒲牢に攻撃を始めるのだとされ、この鯨に襲われている蒲牢が叫ぶ様に吼えるのだとも言われている。この時に上げる蒲牢の吼え声は警告の鳴き声であるとも言われている。また別の説では、蒲牢に襲われている鯨が吼え声を上げており、そのさまを、蒲牢が好むのだ、とも言われている。この蒲牢の吼えるのを好むという性格から、蒲牢の姿を梵鐘などの釣鐘の紐(釣鐘上部の、釣鐘を吊す為に綱などを通す部分)の飾りとして、そこに、その姿を彫り、蒲牢の吼え声に倣って、この鐘が良く響くようにという意味で蒲牢の飾りが付けられたという。また鐘に彫られた蒲牢が、この鐘の音を大きく響かせるのを手伝っているとも言われている。この紐の事を日本では「竜頭(リュウズ)」という。

出典:
Wikipedia
プロメテウス
よくわかる「世界のドラゴン」事典(廣済堂出版)

作者ひとこと:
蒲牢のデザインは、蒲牢が鯨を襲ったり、襲われたりする伝承から、蒲牢も海中を泳ぐ、脚が鰭状になった海竜の様な姿に描きました。

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