酒虫(シュチュウ)
中国に伝わる怪虫、または精霊。酒虫は、中国清代の作家である蒲松齢(ホ ショウレイ)が著した短編小説集「聊齋志異」に登場する酒の精である。酒虫は、その体長が三寸(清代の単位換算で約9.6cm)程の赤い肉の塊の様な姿をしている。また、日本の小説家である芥川龍之介(アクタガワ リュウノスケ)は、この聊齋志異の酒虫の話を翻案した短編小説「酒虫」を書いたが、その中では酒虫は眼と口がある山椒魚の様な姿をしているとされている。この酒虫は人間の体内に棲みつく事があり、この酒虫が体内に棲みついてしまった人間は、いくら酒を飲んでも酔う事のない大酒飲みになる。また、この酒虫は水を良酒に変える力を持っている。聊齋志異にある酒虫の話によると、大酒飲みだが酔う事の無い富豪の「劉氏」という人のもとを僧が訪れ、その僧が言うには、劉氏は酒虫による奇病に罹っているのだと言う。その僧に劉氏が酒虫の退治を頼むと、僧はまず、劉氏を縛り、次に劉氏の顔の先に酒の入った酒壺を置いた。しばらくすると劉氏は酒が飲みたくなってきたが、縛られている為に動けずにいると、劉氏の喉の奥から虫が飛び出て来て、酒壺の中に飛び込んだ。その虫は三寸程の大きさで、赤い肉の塊の様な姿をしていた。その虫が酒壺の中の酒の中で魚の様に泳いでいた。僧は劉氏からの謝礼を断り、代わりに劉氏から出てきた酒虫を譲り受けた。甕の中に水を入れ、そこに酒虫を入れて掻き混ぜると良い酒が出来るのである。その後、劉氏は酒が大嫌いになったが、次第に痩せ衰え、また貧乏になった。果たして酒虫は本当に病気の元だったのか。実は福の神だったのではないか、とある。
出典:
Wikipedia
作者ひとこと:
酒虫のデザインは、小さな六本脚を持っているオタマジャクシや山椒魚、井守の様な両生類に近い姿をした虫に描きました。
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