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2022年4月15日金曜日

「祇沱」


祇沱(ジタ)

朝鮮半島の神話に登場する、新羅(シルラ。古代の朝鮮半島南東部にあった国家)建国を推進したとされる「謁平(アルピョン)」「蘇伐都利(ソボルドリ)」「倶礼馬(グレマ)」「智伯虎(チペクホ)」「祇沱」「虎珍(ホジン)」の6人の内の一人。6人は元々は天上界の神で、彼等はある時、朝鮮半島南部の辰韓地方に降りると、それぞれが一つずつ村を作り、村長となった。その村の名はそれぞれ「楊山(ヤンサン)村」「高墟(コホ)村」「大樹(テス)村」「珍支(ジンジ)村」「加利(ガリ)村」「高耶(コヤ)村」といった。ある時、6人は閼川(アルチョン)の堤に集まって話し合い、優れた一人の有徳の王を立てて新しい国を開く事で意見が一致した。ちょうどその時、楊山の麓に天から白馬が舞い降りて来た。6人はそれを見に出かけてみると、白馬が跪いている様が伺えたが、白馬は6人の姿を見ると嘶いて天へと昇って行ってしまった。白馬が天へと昇って行く前に跪いていた所を見ると、そこには紫色の卵があった。6人がその卵を割ってみると、卵の中から容姿端麗な男の子が現れ出た。6人は男の子を沐浴させると、男の子の体から光が出て来た。すると鳥や獣達は舞い踊り、大地は震え、日月の光は清らかであった。6人はこれこそ天が送ってくれた王だと考え、男の子に「赫居世(ヒョコセ、「明るい世」)」と名付け、姓を「朴(パク)」とした。そして赫居世が13歳になった時に新しい国を作り、6人の村長は赫居世を国王として推戴したのである。この国が、後に新羅と名を改めたのであるという。

出典:
東洋神名事典(新紀元社)
Wikipedia(「赫居世居西干」のページ)

作者ひとこと:
祇沱のデザインは、祇沱が天から降りて来た神なので、頭に冠を被り、体は天の雲に覆われている神の姿に描きました。

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