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2022年6月11日土曜日

「イーナコス」


イーナコス<イナコス>

ギリシア神話に登場する神の一柱。イーナコスは、河川の神々である「ポタモイ」の内の一柱である。ポタモイ達は皆、海神「オケアノス」と女神「テテュス」の子供達である。このイーナコスは、ギリシャのアルゴス(アルゴリス)地方を流れるイーナコス川の神である。イーナコスは、自らと同じ、オケアノスとテテュスの子供である「メリアー」を妻とし、メリアーとの間に「ポローネウス」「アイギアレウス」をもうけた。また別の説では、ゼウスに愛された「イーオー」や、ミュケーナイの名の由来になった「ミュケーネー」、百眼の巨人「アルゴス」もまたイーナコスの子供であるとも言われている。ラテン語の著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスによれば、イーナコスは「ポローネウス」の娘「ニオベー」の子である「アルゴス」の子「ピラントス」の子である「トリオパース」と「オレーアス」の子で、「クサントス」と兄弟であり、「アルゲイアー」との間に「イーオー」をもうけたという。しかし他所ではオケアノスの子で、姉妹のアルゲイアーとの間にポローネウスをもうけたとも述べている。神話によると、女神「へラ」と海の神「ポセイドン」がアルゴリス地方の領有をめぐって争った時、イーナコスは、この地の他の河神「ケーピーソス」「アステリオーン」とともにアルゴリスをヘラのものと判定した。ポセイドンは、この判定に怒ってイーナコス、ケーピーソス、アステリオーンの川を干上がらせたので、夏になるとこれらの川から水が消えてしまうとされる。あるいはポセイドンは怒って、この地を洪水で沈めてしまったので、ヘラはポセイドンに水を引かせるよう頼まなければならなかったともいう。またイーナコスは、アルゴリスの最初の王で、自分の名にちなんで川をイーナコス川と名付け、ヘラを祭祀したとも、イーナコスはエジプトからの植民者であったとも言われている。イーナコスをイーオーの父とする説では、イーナコスは「キュルノス」に命じてイーオーを探させたが、キュルノスは発見出来なかったので、カーリア地方(アナトリア半島南西部の古代の地名)のケロネーソス地方に移住した。またイーナコスはゼウスを糾弾しようとしたが、イーナコスはゼウスの送った復讐の女神達「エリニュス」に苦しめられ、ハリアクモーン川に身を投げた。そのため、ハリアクモーン川はイーナコス川と呼ばれるようになったという。

出典:
Wikipedia(「ポタモイ」のページ、「イーナコス」のページ)

作者ひとこと:
イーナコスのデザインは、頭に頭巾を被った、蛙かイモリ、サンショウウオの様な両生類の姿をした河川の神の姿に描きました。

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