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2022年11月4日金曜日

「イツパパロトル」


イツパパロトル

アステカ神話に登場する神の内の一柱。イツパパロトルという名前は「黒曜石の蝶」または「鉤爪のある蝶」という意味である。このイツパパロトルは、アステカの神々の中で最も恐れられた女神の一柱である。元々イツパパロトルは、北方の非定住民族の重要な女神であったと考えられる。イツパパロトルの手足はジャガーの爪を生やし、目と羽根、触角は蝶の様である。その羽根の先端は鋭く尖ったナイフとなっている。イツパパロトルは骸骨で獰猛な女性の姿をしており、手足にはジャガーの爪を生やし、目と羽根、触角は蝶の様である。その羽根の先端は鋭く尖ったナイフとなっている。またマシュトラトルという腰巻を身に着けている場合もある。イツパパロトルの起源は出産時に死亡した女性が変身して魔物となったと説明される事がある。このイツパパロトルは、日蝕や52年ごとに到来する宇宙の危機に際して、人間を食べてしまうと言われる魔物「ツィツィミメ」の一人でもある。神話によるとイツパパロトルは、神々の起源の場所、天空の楽園「タモアンチャン」から追放されている。このイツパパロトルは、石刀(マクアウィトル)の翼を持つ女神であるとも言われている。イツパパロトルは、楽園タモアンチャンを象徴する女神で、この女神は一般的にジャガーの鉤爪を持つ骸骨という恐ろしげな姿で描かれ、背中に生えた翼はアステカの戦士が用いた石刀(マクアウィトル)で出来ている。イツパパロトルは「黒曜石の蝶」であるが、図像では翼は蝙蝠や鷲の要素が大きい。神々により最初に創造された女性「オショモコ」は蝶の属性を持つとされ、イツパパロトルと関連性があると考えられている。またアステカでは、蛾や蝶は、燃え盛る火に飛び込む事から、炎および自己犠牲を伴う勇敢な行為の象徴とされたため、イツパパロトルは軍神であるともされた。その為、戦士達は蝶を模った飾りを身に着け、死後の魂は蝶となり楽園へ旅立つと信じていた。イツパパロトルの夫は「イツラコリウキ(テスカトリポカの化身であるとも言われる、石と冷気の神)」、息子は「ミシュコアトル(ケツァルコアトルの父であるとも言われる、狩猟と戦争の神)」である。イツパパロトルは、アステカ暦ではコンドルを支配し、西に配当される1の家・トレセーナを司る。この位置は出産で死んだ女性の死霊「シワテテオ」に捧げられており、日食の時に人を喰うツィツィミメとも同一視されている。このイツパパロトルは、元来はチチメカ族が信仰した大地の女神であったとも言われている。また、このイツパパロトルは、農耕の女神であり、始まりの楽園タモアンチャンを治める女神であるともされる。またイツパパロトルは星を司り、夜の魔神ツィツィミメの女王であるともされ、イツパパロトルは、日食の時にツィツィミメと共に天から落ちて来て、地上の人間を貪り食らうとも伝えられている。

出典:
ピクシブ百科事典
幻想世界事典
神の文化史事典(白水社)

作者ひとこと:
イツパパロトルのデザインは、背中に蝶の翼を生やし、両手両足がジャガーになっている女神、または女性の魔物の姿に描きました。

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