ページ

2023年1月3日火曜日

「キダマサマ」


キダマサマ<きだま様、コダマサマ>

八丈島(東京都八丈町)などに伝わる、木々の精霊。「もりぎ(御神木)」の他にも、太く古い木にはキダマサマが宿っているとされ、その様な木々を切ったり、傷つけたりしてはならないとされていた(「八丈島民俗資料緊急調査」)。キダマサマの宿っているとされる木は「きだま木」と呼ばれる。森を伐採する時は、必ず1本は木を残すものだとされており、それが「きだま木」とされる事が多かった(「八丈島」)という。必要があってそれを伐採する時は、鉈を木に向かってまっすぐに立てて祈り、「きだま」を木から去らせてから作業を行う(「八丈島民俗資料緊急調査」)とされていた。木を切った者の家の屋根裏に、キダマサマが憑いた話などもあり、夜になると糸を紡ぐ様な音をさせたりしたという(「八丈島」)。八丈島や青ヶ島では、枝の茂った大木にはキダマサマとかコダマサマという神が宿るといい、この様な木を切ると祟りがあるという。山で木を伐採する時も、キダマサマの宿る木を必ず1本残すといい、青ヶ島では棟上式に家の材木からキダマを落とす儀礼が見られ、神社には「大木玉様」や「木玉天狗」という神が祀られている。

出典:
コトバンク
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
キダマサマのデザインは、頭から枝が生えている木の様な姿の精霊に描きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿