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2023年1月11日水曜日

「国之常立神」


国之常立神(クニノトコタチノカミ)<国常立尊(クニノトコタチノミコト)、国底立尊(クニノソコタチノミコト)>

日本神話に登場する神の内の一柱。国之常立神は、別天津神(ことあまつかみ)の五柱が出現した後、高天原(たかまがはら)に現れた神で、神世七代(かみのよななよ)と呼ばれる十二柱七代の神々の一代目にあたる。国之常立神も別天津神と同じ様に配偶神を持たず性別のない独神(ひとりがみ)で、姿をすぐに隠してしまった、とのみ記されており、その個性は明確ではない。また、その後は神話に一切登場せず、エピソードが語られないため、役割も不明だ。しかし、神名から推測すれば「国」はそのまま「国や国土」を、「常」は「恒常性、永遠性」を、「立」は「現象や状態が出現する様子」を表しており、国の恒常性、永遠性が確立した事を象徴する神であるといえる。また、「常」を「床」と捉え、国の床、つまり国の礎、国土の基礎が完成したことの象徴とする説もある。この様に神名の解釈は微妙に異なるが、基本的には大地や国土の形成に関する神である事に異論はなく、天の形成に関する別天津神最後の一柱「天之常立神(アメノトコタチノカミ)」と対になる存在と考えられている。また、このニ柱は同じ神であるという説もあるが、あまり一般的ではない。「古事記(こじき)」では世界のはじまりから六番目に現れる国之常立神だが、「日本書紀(にほんしょき)」では世界の最初に現れた男神として記されている。日本書紀の一書においても、一番目か二番目に現れた神となっているなど、大変重要な存在で、国土形成の根源神、国土の守護神として古くから信仰されている。特に、神道の流派には、この国之常立神を重要な存在と捉えられているものが多い。伊勢(度会)神道では「天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)」「豊受大神(トヨウケノオオカミ)」とともに根源神とされ、吉田神道においても、中国の老子の太元説に基づいた太元尊神(宇宙の根源神)として神々の中心に位置づけ、国之常立神と天之御中主神とは同一神とした。また、教派神道諸派も、国之常立神を重要な神と考えており、例えば大本教では根本神である「艮の金神(ウシトラノコンジン)」と同一神と考えている。

出典:
日本の神々 完全ビジュアルガイド(KANZEN)

作者ひとこと:
国之常立神のデザインは、大きな剣を持った神の姿に描きました。

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