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2023年3月30日木曜日

「池辺の魚」


池辺の魚(イケベノサカナ)

栃木県宇都宮市西原町に伝わる。池辺というのはこの地域の古い呼び名。昔「田芋(たいも)おじ」と呼ばれる漁師が魚釣りをしていると、白髪の不思議な老人が現れて「今日はとても大きな良い魚がこの池で釣れるが、それは殺さずに還すといい。後々たくさん魚が捕れるようになるでしょう」と告げて去った。田芋おじが釣りを続けていると、確かにとても大きな鯉に少し似た良い魚も一匹釣れた。しかし、田芋おじはそのまま魚を持ち帰って食べてしまった。すると、ものすごい天変地異が巻き起こり、田芋おじの家は雨で流され、一帯にあった池もなくなって陸地になってしまったという。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
池辺の魚のデザインは、長い髭を生やした魚の姿に描きました。

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