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2023年4月25日火曜日

「大蟒」


大蟒(オオウワバミ)<大蝮蛇(オオウワバミ)>

もの凄く大きな蛇。人をまるごと呑み込んで食べてしまったりする。「宮川舎漫筆(みやがわのやまんぴつ)」(巻五)には、常陸国(茨城県)霞ヶ浦で農家のおかみさんが松の木蔭で休んで居眠りしていた時、大蟒に食べられそうになったが、たまたま大神宮様のおふだで髪を結んでいたので、それが炎になって身を守ってくれたという話が載っている。常陸国霞ヶ浦のある農夫の女房が、昼弁当をしたため、耕作の合間に一休みしようと、畑脇の大松に寄りかかり寝ていると、この松に棲んでいた大蝮蛇が女を吞もうとした。周りの人が見つけて、大蝮蛇が呑みかかろうとするときに、女の頭から火炎が燃え立った。女が目を覚ましたので、集まっていた人達が女を引き連れ退かせた。女に、何かありがたい物を身に付けているのかと尋ねたら、特にはないが、髪が乱れていたので、反故紙の様なもので元結の代わりにしていると言った。その紙を開いて見たところ、それは剣先御祓いの紙で、中に大神宮と書かれていた。「古今佐倉真佐子(ここんさくらまさご)」にも、成田山の宝剣のおまもりが飛び出て「うわばみ」を切り払ったという同様の話が、成田についての項目にみられる。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
大蟒のデザインは、背中に松葉の様な刺を生やした大蛇の姿に描きました。

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