コボルト
民家に住む妖精の一種。コボルトは、家人の手伝いをする善い妖精とされることもあれば、小柄で狡猾な妖精とされることもある。コボルトが善良な妖精とされている場合でも、お礼を忘れると音を立てたり悪戯をすることがあるという。コボルトが善良だとされていた地域でも、キリスト教の流入によって(多くの妖精や精霊、土着の神々が悪魔やその下僕のような扱いになったのと同様に)怪物の仲間入りとなってしまった。16世紀以前のドイツでは冶金が難しかった鉱物があり、これは「コボルトが鉱夫達を困らせようと魔法で悪戯をしている」と信じられた。そのため、後年になってこの鉱石(元素)は「コバルト」と名付けられたのである。コボルトはドイツなどで知られている精霊。デンマークでは「ニス」、イングランドでは「ホブゴブリン」と呼ばれる。コボルトは、醜い毛むくじゃらの小人として語られることが多い。このコボルトは、人家に潜む精霊とも、鉱山の精霊とも言われているが、一説には山の精霊であったらしい。実際、ヨーロッパの鉱夫達の間には、このコボルトの言い伝えが数多く残されている。コボルトは、鉱夫達の重労働を手伝う事もあれば、邪魔する事もあるという。また、鉱夫達は採掘の最中に、金属のとりだしにくい鉱石にでくわすと、このコボルトの悪戯のせいだと考えていたらしい。そして、その鉱石にこの精霊の名前をつけ、コバルトと呼んだのである。なお、このコバルトからは青い顔料がとれ、これをコバルト・ブルーという。人間の家に潜む精霊としてのコボルトは、まずミルクにゴミを投げこむとされている。コボルトは住人がそのミルクを捨てずに飲むと、歓迎されていると考え、家に住み着くのである。そうやって人間と幸福に暮らすコボルトは、その家の子供に子守唄を歌ってくれると言い伝えられている。
出典:
世界の「神獣・モンスター」がよくわかる本(PHP文庫)
よくわかる「伝説の亜人種」事典(廣済堂文庫)
作者ひとこと:
コボルトのデザインは、直立二足歩行のイヌの様な姿の妖精に描きました。
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