羽山津見神(ハヤマツミノカミ)<麓山祇(ハヤマツミ)>
日本神話に登場する山の神。「古事記(こじき)」や「日本書紀(にほんしょき)」において、「伊邪那岐命(イザナギノミコト。伊弉諾尊)」によって斬り殺された「迦具土神(カグツチノカミ。軻遇突智命)」の死体に生じた山津見神の一柱。古事記によると、右手から成ったのが羽山津見神で、頭には「正鹿山津見神(マサカヤマツミノカミ)」、胸には「淤縢山津見神(オドヤマツミノカミ)」、腹には「奥山津見神(オクヤマツミノカミ)」、陰部には「闇山津見神(クラヤマツミノカミ)」、左手には「志芸山津見神(シギヤマツミノカミ)」、左足には「原山津見神(ハラヤマツミノカミ)」、右足には「戸山津見神(トヤマツミノカミ)」、合わせて八神が生じた。日本書紀では一書(あるふみ)にしか記述がなく、それによれば、手から成ったのが麓山祇で、首には「大山祇(オオヤマツミ)」、胴体には「中山祇(ナカヤマツミ)」、腰には「正勝山祇(マサカヤマツミ)」、足には「䨄山祇(シギヤマツミ)」の五神が生じた。ハヤマは端山、つまり麓(ふもと)の山の意。手は身体の端にあるので、端山となったのだろう。
出典:
古事記注釈 第一巻(ちくま学芸文庫)
日本書紀 一(岩波文庫)
作者ひとこと:
羽山津見神(麓山祇)のデザインは、小型の猿の様な姿の山神、または山の精霊をイメージした姿に描きました。
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