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2024年11月22日金曜日

「十時坊主」


十時坊主(ジュウジボウズ)

群馬県糸之瀬村(現・昭和村)に伝わる。夜の10時頃出るのを「十時ぼうず」と言う。遅くまで起きている子供に対し、母親が寝かしつける場合などに「早く寝ないと十時坊主が出るぞ」と言って大人がおどかしたりしていたという。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
十時坊主のデザインは、口に大きな牙を生やしている、坊主頭の怪物の姿に描きました。

2024年11月20日水曜日

「イキ入道」


イキ入道(イキニュウドウ)

神奈川県足柄上郡三保村(現・山北町)に伝わる妖怪。大入道。ある沢に杉の木が3、4本生えている所があり、そこに出たという。大きなおっさんの姿で現れ、人を取って食うといわれている。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
イキ入道のデザインは、真っ黒い体のおっさん姿の巨大な怪物の姿に描きました。

2024年11月18日月曜日

「小眼」


小眼(ショウマナコ)

事八日(2月8日)の日に家々にやって来るとされる一つ目の妖怪。栃木県野上村(現・佐野市)などでは「一つ目小僧(ヒトツメコゾウ)」のような目がひとつの存在だと語られ、2月8日にやって来るので(12月には「大眼(ダイマナコ)」が来るとされる)籠を家の外に出しておいたりしたという。小眼と大眼という一対になる存在がそれぞれ「事八日」にあたる日にやって来ると語られている例である。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
小眼のデザインは、着物を着た、一つ目の子供の様な姿の魔物に描きました。

2024年11月15日金曜日

「ぎゅわん坂」


ぎゅわん坂(ギュワンザカ)

埼玉県日高市高萩に伝わる怪異。ぎゅわん坂と呼ばれる坂は、かつて鬱蒼と樹木が茂る七曲りの急坂だったという。後醍醐天皇の時代、高萩弥勒寺には討幕の企てに参加する行安という僧がいた。やがて謀は外に洩れてしまい、彼らはことを成し遂げる前に山中で討死してしまった。それからというもの、この山道には行安の亡霊が出ては道行く人々を散々に恐れさせるようになった。そこで村人たちは塚を建てて行安の霊を祭り、山を行安山と名付けたという。このようなことがあったため、後の時代も子供が泣いたときに「ぎゅわんへ連れていくぞ」と脅かすと、ふっと泣きやんだものだといわれている。

出典:
【妖怪図鑑】新版TYZ

作者ひとこと:
ぎゅわん坂のデザインは、ニューッと山道から立ち現れた僧の亡霊というイメージで描いてみました。

2024年11月13日水曜日

「擂木鳥」


擂木鳥(レンギドリ)

擂粉木に羽根や目が生えて鳥のようになったもの。「擂木に羽根(ありえないこと、といった意味)」といった画題で、鳥羽絵に描かれていたものが広く描かれるようになったもので、江戸では「豆絵(まめえ。画面を細かく区切ってたくさんの絵が描きこまれている形式のおもちゃ絵)」などにこのかたちの妖怪も描かれていることが多い。熊本県などでいわれる「木心坊(キシンボウ)」という妖怪は、椿の木でできた擂粉木が化けるとされることから、平成以後この擂木鳥の画像が結びつけられて絵に描かれることも多いが、もともとの要素が異なる存在同士(擂粉木の伝承に擂粉木の画像)を当てはめあっただけに過ぎず、直接の関係性は全くない。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
擂木鳥のデザインは、羽根が生え、目がある擂り粉木姿の妖怪に描きました。

2024年11月11日月曜日

「飛銚子」


飛銚子(トビチョウシ)

栃木県の男体山や女峰山などの高峰で、修験者がよく見かけたという怪異。この飛銚子は、蓋のない鉄製の小さな銚子の様な姿をしているといわれ、山鬼が好んで玩具にしていたという。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
飛銚子のデザインは、蓋のない鉄製の小さな銚子の姿の怪異に描きました。

2024年11月8日金曜日

「一つ眼」


一つ眼(ヒトツマナグ、ヒトツマナク)

事八日(2月8日や12月8日)の日に家々にやって来るとされる一つ目の妖怪。茨城県などで呼ばれている。茨城県桜川市真壁町では、【2月8日は「笹神様」を祀る。12月8日にもする。この日はヒトツマナクが来る日でもある。鬼が来るという人もいる。竿の先に目の多いものをかけてたてておくと、ヒトツマナクは自分より目の多いものがあるので驚いて逃げていく】と言われている。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
怪異・妖怪伝承データベース

作者ひとこと:
一つ眼のデザインは、手に筆と巻物を持った、一つ目の魔物の姿に描きました。

2024年11月6日水曜日

「一つ眼」


一つ眼(ヒトツマナコ)

事八日(12月8日)の日に家々にやって来るとされる一つ目の妖怪。「ひとつまなこがやって来るので早く戸締まりしろ」などといわれていた。東京都などで呼ばれる。東京都多摩市などでは、茱萸(グミ)の木を前日の夜から焼いて、そのにおいで追い払ったりしたとされる。神奈川県津久井郡津久井町(現・相模原市)では、悪病が流行るのはヒトツマナコがそれを持ち込むからだと言い、12月8日にはカヤの木を燃やし、目籠にカヤの木を入れて柱につるしておいた、と言う。神奈川県相模原市では、12月8日と2月8日を「シラスヨーカ」と言い、仕事をせず物忌をする。軒には注連縄を張り、メカイ籠などを柱に下げ、宵には臭気のある木を「ヒジロ(囲炉裏)」で燃す。こうすると、ヒトツマナコ(ヒトツメコゾウ、ヒトツコゾウ、ヤクジン)が、病を仰せ付けに帳面をもって門口に来たとき、臭気と目の多さに負けて帰るという。屋外に着物や履物を放置しておくと、彼らが病の印をつけるので、それを用いた人は病むという。群馬県吾妻郡中之条町では、「十二さま」は1年に12人の子を産む女の神というが、この神はヒトツマナコという旧11月30日と2月末日に村へ訪れる異形の神とも同じだといわれる。この神が来る日は門口に「サマンジュウ」を供えるが、これはヒトツマナコの殃害を許してもらう為だという。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
怪異・妖怪伝承データベース

作者ひとこと:
一つ眼のデザインは、手に筆と帳面を持った、一つ目の魔神の様な姿に描きました。

2024年11月4日月曜日

「送り鼬」


送り鼬(オクリイタチ)

静岡県伊豆半島北部、埼玉県戸田市などでいう妖怪。道を歩いていると鼬が背後をつけて歩いて来るというもの。こちらが止まると向こうも止まり、歩き出すと向こうも歩き出して、ずっとついて来るという。伊豆半島北部では、夜に道を歩いていると、人の後ろを付いてくる。草履を投げてやると、付いてくるのを止めるのだという。埼玉県戸田市では、竹藪の脇などを通ったとき、ガサガサと音をたて、人が立ち止まると音は止む。歩きはじめると、またガサガサと音をたてる。これに出会うと身体がゾーッとしてくるという。気が弱い人なら引っ張り込もうとしてついてくるものだといわれている。群馬県邑楽町では、鼬に後をつけられていると「あたまが、ざざあとしてくる」、埼玉県戸田市では「体がゾーッ、ゾーッと変な感じになって来る」などともいわれており、こころの状態にも影響を及ぼして来る描写に共通性がみられる。

出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
送り鼬のデザインは、鼬の姿の妖怪に描きました。

2024年11月1日金曜日

「オボ」


オボ(おぼ)

群馬県利根郡などに伝わる妖怪。このオボは道に出て来て、道を行く人の足に纏わりついたり、絡みついたりして歩行の邪魔をする。そんなときは刀の下緒や着物の小褄を切って投げてやると離れるとされている。また、このオボは、鼬の化けているようなものとも語られており、山道や山中で赤ん坊のような泣き声で盛んに泣いたり、山道で赤ん坊の泣き声のような音をさせて追いかけて来たという。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
オボのデザインは、細長い体を持った、獣の姿の妖怪に描きました。