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2024年11月4日月曜日

「送り鼬」


送り鼬(オクリイタチ)

静岡県伊豆半島北部、埼玉県戸田市などでいう妖怪。道を歩いていると鼬が背後をつけて歩いて来るというもの。こちらが止まると向こうも止まり、歩き出すと向こうも歩き出して、ずっとついて来るという。伊豆半島北部では、夜に道を歩いていると、人の後ろを付いてくる。草履を投げてやると、付いてくるのを止めるのだという。埼玉県戸田市では、竹藪の脇などを通ったとき、ガサガサと音をたて、人が立ち止まると音は止む。歩きはじめると、またガサガサと音をたてる。これに出会うと身体がゾーッとしてくるという。気が弱い人なら引っ張り込もうとしてついてくるものだといわれている。群馬県邑楽町では、鼬に後をつけられていると「あたまが、ざざあとしてくる」、埼玉県戸田市では「体がゾーッ、ゾーッと変な感じになって来る」などともいわれており、こころの状態にも影響を及ぼして来る描写に共通性がみられる。

出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本怪異妖怪事典 中部(笠間書院)

作者ひとこと:
送り鼬のデザインは、鼬の姿の妖怪に描きました。

2024年11月1日金曜日

「オボ」


オボ(おぼ)

群馬県利根郡などに伝わる妖怪。このオボは道に出て来て、道を行く人の足に纏わりついたり、絡みついたりして歩行の邪魔をする。そんなときは刀の下緒や着物の小褄を切って投げてやると離れるとされている。また、このオボは、鼬の化けているようなものとも語られており、山道や山中で赤ん坊のような泣き声で盛んに泣いたり、山道で赤ん坊の泣き声のような音をさせて追いかけて来たという。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
オボのデザインは、細長い体を持った、獣の姿の妖怪に描きました。