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2024年11月6日水曜日

「一つ眼」


一つ眼(ヒトツマナコ)

事八日(12月8日)の日に家々にやって来るとされる一つ目の妖怪。「ひとつまなこがやって来るので早く戸締まりしろ」などといわれていた。東京都などで呼ばれる。東京都多摩市などでは、茱萸(グミ)の木を前日の夜から焼いて、そのにおいで追い払ったりしたとされる。神奈川県津久井郡津久井町(現・相模原市)では、悪病が流行るのはヒトツマナコがそれを持ち込むからだと言い、12月8日にはカヤの木を燃やし、目籠にカヤの木を入れて柱につるしておいた、と言う。神奈川県相模原市では、12月8日と2月8日を「シラスヨーカ」と言い、仕事をせず物忌をする。軒には注連縄を張り、メカイ籠などを柱に下げ、宵には臭気のある木を「ヒジロ(囲炉裏)」で燃す。こうすると、ヒトツマナコ(ヒトツメコゾウ、ヒトツコゾウ、ヤクジン)が、病を仰せ付けに帳面をもって門口に来たとき、臭気と目の多さに負けて帰るという。屋外に着物や履物を放置しておくと、彼らが病の印をつけるので、それを用いた人は病むという。群馬県吾妻郡中之条町では、「十二さま」は1年に12人の子を産む女の神というが、この神はヒトツマナコという旧11月30日と2月末日に村へ訪れる異形の神とも同じだといわれる。この神が来る日は門口に「サマンジュウ」を供えるが、これはヒトツマナコの殃害を許してもらう為だという。

出典:
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)
怪異・妖怪伝承データベース

作者ひとこと:
一つ眼のデザインは、手に筆と帳面を持った、一つ目の魔神の様な姿に描きました。

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