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2018年8月30日木曜日

「霊感大王(レイカンダイオウ)」



霊感大王(レイカンダイオウ)

「西遊記(サイユウキ)」に登場する妖怪。「通天河(ツウテンガ)」という河の主。身体中に鱗のある、巨大な魚の姿をした怪物である。雨や雪を降らせたり、河の水を凍らせる事が出来る。霊感大王は雨を降らせる代わりに、人間の子供を生け贄として要求して食べていた。三蔵法師一行は、大きな通天河をどうやって渡ろうか思案していると、霊感大王への生け贄の儀式に出会った。孫悟空と猪八戒は、生け贄の二人の子供に化けて、身代わりになって霊感大王の元へ向かった。霊感大王が食べようとした時に、元の姿に戻って霊感大王を攻撃した。驚いた霊感大王は河の中へ逃げて行った。 逃げ帰った霊感大王は三蔵一行に、どうにか報復しようとし、タナゴが通天河を凍らせるというアイディアを出したので、霊感大王は河を凍らせ、魚達が通行人に化けて氷の上を渡って見せた。三蔵一行もそれを見て河を渡り出したが、途中で氷が割れて、一行は河の中から襲い掛かって来た霊感大王に、水中へ引き込まれてしまった。孫悟空達は自力で脱出したが、三蔵法師が霊感大王に捕らわれてしまった。孫悟空達が必死に戦いを挑むが、霊感大王は三蔵を捕らえたまま、水中の屋敷の扉を閉ざして中に隠ってしまった。困った孫悟空は観音菩薩の元へ助言を求めに行くと、観音菩薩自ら通天河へ来て、河の中に竹籠を入れて引き上げると、籠の中に一匹の金魚が入っていた。実は、この金魚こそ霊感大王の正体で、霊感大王は観音菩薩が蓮池で飼っていた金魚だったのである。毎日、蓮池の中から観音菩薩の説法を聞いている内、妖怪になってしまったのだった。こうして霊感大王は退治され、三蔵法師も無事戻って来た。すると元々の通天河の主の大亀が現れ、霊感大王を追い払った礼に、三蔵一行を通天河の対岸まで運んでくれ、一行は無事、通天河を渡る事が出来て、旅を続けた。

出典:
ファンタジィ事典

作者ひとこと:
霊感大王のデザインは西遊記の記述通り、巨大な魚の怪物の姿に描きました。金魚風にしました。

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