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2019年4月12日金曜日
「天火」
天火(テンカ、テンビ、テンピ)
日本に伝わる妖怪で、怪火の一種。愛知県では、夜間であるにも関わらず、行く手を昼間の様に明るくした。岐阜県では夏の夕空を、大きな音を立てて空を飛ぶ怪火である。佐賀県では、天火が現れると天気が良くなるが、天火が入った家では病人が出るので、人々は天火が出ると鉦を叩いて追い出した。熊本県では提灯大の火の玉が天から落ちて来て、これが家の屋根に落ちると火事になる。また佐賀県一帯でも、天火は火災の前兆と考えられて忌まれた。また、天火は怨霊の一種とも考えられており、熊本県の伝説では、ある男が鬼池村へ漁に出かけたが、村人達によそ者扱いされて虐待されて、それが元で病死した。以来、鬼池村では毎晩の様に火の玉が飛来する様になり、ある夜に火の玉の火が藪に燃え移り、村人達の消火作業の甲斐も無く炎が燃え広がり、村の家々は全焼した。村人達はこれを、死んだあの男の怨霊の仕業だと言って恐れ、彼を虐待した場所に地蔵尊を建てて、毎年冬に男の霊を弔った。また、天火は飛ぶ時に「シャンシャン」と音を出して飛ぶ。佐賀県では、人々は天火を発見すると、そのまま放置すると家が火事に遭うので、天火に人々が群がって念仏を唱えて追い回す。すると天火は、方向転換をして逃げ出し、郊外まで追い詰められた末に、草木の中に姿を消す。また天火は、雪駄で扇ぐ事で追い払う事が出来、安政時代の奇談集「筆のすさび」では、備前国で火災で家を失った人が「他の家の屋根に火が降り、その家の住人が雪駄で火を追いかけた為に、自分の家の方へ燃え移った為、新築の費用はその家の住人に払って欲しい」と代官に取り計らいを願ったという奇談がある。また、江戸時代の奇談集「絵本百物語」では天火により家を焼かれた者、焼死した者が彼方此方にいるとある。また同書の奇談によれば、ある所に非情な代官がおり、私利私欲の為に目下の者を虐待し、目上の者にまで悪名を負わせる程だったが、代官の座を降りた翌月、火の気の無いはずの場所から火が出て自宅が焼け、自身も焼死し、これまでに蓄えた金銀、財宝、衣類などもあっという間に炎に焼かれて、煙と灰になった。この火災の際には、一塊の火が空から降りてきた光景が、人々に目撃されていたと言う。
出典:
Wikipedia
妖怪邸・妖堂 日記帳
作者ひとこと:
天火のデザインは、歌舞伎の隈取りの様な模様のある顔を持った、火の玉の姿を描きました。
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