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2019年5月17日金曜日

「吸いかずら」



吸いかずら(スイカズラ)

日本の徳島県三好(ミヨシ)郡祖谷(イヤ)地方に伝わる妖怪で、憑き物の一種。犬神の類。吸いかずらは人間に取り憑く時、女性には二匹、男性には一匹取り憑く。吸いかずらに取り憑かれると、憑かれた人間は病になり、犬の真似をするようになる。取り憑かれた時は太夫という人に拝んでもらい、吸いかずらを落としてもらう。吸いかずらが二匹人間に取り憑いている時は、片方の一匹が気を抜いている状態なので、それを捕らえて黒焼きにし、それを憑かれている人に食べさせると、吸いかずらを退散させる事が出来る。吸いかずらは鼠よりも少し大きい動物で、たまに囲炉裏の傍で暖をとっている事がある。日野巌著「動物妖怪譚(下)」の最後にある「日本妖怪変化語彙」によると「吸いかずら・尾が蛇であるという妖怪。人に憑く(岡山県、徳島県(祖谷地方)」とある。徳島県祖谷の他に岡山県と書かれているのは、岡山県の人達が四国の犬神を非常に恐れていた為、語彙だけが残されたものと思われる。

出典:
日本妖怪大事典(角川書店)
妖怪邸・妖堂 日記帳

作者ひとこと:
吸いかずらのデザインは、蛇の尾を持ったモグラか鼠の様な妖怪の姿を描きました。

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