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2019年5月18日土曜日

「板の鬼」



板の鬼(イタノオニ)<板鬼(イタオニ)>

日本に伝わる妖怪で「今昔物語集」に登場する。ある年の夏、ある人に仕える二人の若侍が宿直の役に当たっていた。夜更けに話などをして夜を過ごしていた二人の侍は、東の建物の棟に上に一枚の板が突き出ているのに気づいた。何者の仕業だろうと二人は不思議に思って見ていると、その板が7、8尺ばかり伸びて飛び出し、そのままひらひらと飛んで二人の方に向かって来た。二人はさては化け物に違いないと刀を抜いて、来たら斬りつけるつもりでいたが、板は二人の方ではなく、傍らの格子の隙間から5人の侍が寝ている部屋に入っていった。やがて、その部屋から苦しい呻き声が聞こえたので、驚いた二人の若侍は灯りを灯して駆け付けてみると、寝ていた侍達は何かに押し潰されたように圧死していた。あの怪しい板は忽然と消えており、外へ逃げた気配もなかった。これを知った人々は、板は自分を斬ろうと待ち構えていた若侍を避け、刀を持たずに寝ていた侍を襲った事から、男たる者は如何なる時も刀を手放してはならないと、戒め合った。この板は鬼が変化したものというが、「今昔物語集」の時代の「鬼」という字は妖怪の総称のように用いられていた。従って「板の鬼」は「板の妖怪」を意味しており、所謂、二本角の鬼との関連性は無い。

出典:
Wikipedia
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
板の鬼のデザインは、板の体の真ん中に口があり、四方の隅から指の様な腕が生えている姿に描きました。

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