イピリア
オーストラリアの先住民であるアボリジニの中でもイングラ族が崇拝している精霊。イピリアは、虹色に輝く体を持った巨大なヤモリの姿をしており、頭には頭髪、上唇には髭が生えている。イピリアは雨季を呼ぶ精霊であり、いつもはヌマリカ沼という沼の底で眠っているが、一年に一度だけ沼の底から上がって来て、岸に這い出してくる。そして沼の水を飲んだり沼の岸に生えている草を食べる。そうして草と水を腹一杯になるまで食べると、今度は腹の中のものを空高くに一気に吹き上げる。吹き上げたものは空で雨雲に変わり、雨雲は大地に雨を降らし、雨季の到来を告げ、大地に豊穣を齎(モタラ)す。またこの時イピリアは咆哮(ホウコウ)を上げるが、この咆哮は雷鳴となって響き渡る。イピリアが咆哮を上げるのは自身の仕事に満足した印であるという。そしてまた、イピリアは沼の底で眠りにつくのであった。イピリアの棲むヌマリカ沼は神聖な聖域であり、この沼に人間が足を踏み入れると、乾季が終わらなくなると言われた。その為、人々はイピリアの棲む沼に立ち入る事は禁忌とされている。また、もしこの水を飲んだ者がいた場合は、この水を飲んだ者は死ななければならないなど厳しい掟もあった。
出典:
Wikipedia
よくわかる「世界のドラゴン」事典(廣済堂出版)
作者ひとこと:
イピリアのデザインは、頭髪と龍の様な髭を持った巨大なヤモリの姿に描きました。
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