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2019年11月7日木曜日

「ゴガ」



ゴガ

パプアニューギニアの火の起源を伝える神話に登場する女神。ゴガは醜い老婆の姿をした女神で、火と雨を司る女神である。世界の初めには、何処にも火というものが無かったが、ただ一柱、ゴガという女神が体内に火を宿していた。彼女は周りに誰もいない時を見計らって、体内から火を出して食べ物を煮たり炙ったりして食べ、火を独り占めにしていた。しかし、ある時とうとう一人の人間の若者がゴガが火を使っているのを見つけてしまった。ある日、その若者はゴガの家に行くとゴガと色々な話をし、ゴガの隙を狙って火が付いている燃え木を掴んで逃げ出した。ゴガは驚いて若者を追い掛けたが、とうとう捕まえる事が出来なかった。逃げている若者も燃え木を持って走るうちに火で手を焼いて、枯草の上に燃え木を投げ出してしまい、みるみるうちに火事になった。その内、炎は一本の樹に燃え移り、その樹の幹の洞に棲んでいた一匹の蛇の尻尾に火が燃え付いてしまった。ゴガは魔法を使って大雨を降らせ火を消した。ゴガの降らせた大雨が止み、すっかり火の気が無くなってしまった中を人々は火を探して歩いた。すると一本の樹の洞の中にいる蛇の尻尾が松明の様に燃えており、人々は「しめた」とばかりにこの蛇を洞から引き出して、その尻尾を切ると、木を積み上げてその尻尾から火を付けた。こうして人間は火を手にする事が出来、火を使う事が出来るようになった。

出典:
神魔精妖名辞典
龍学 ―dragonology―
知っておきたい世界の女神・天女・鬼女(西東社)

作者ひとこと:
ゴガのデザインは、醜い老婆の姿をした女神を描きました。手から炎が吹き出しておます。

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