ビンジール・ビンジール
オーストラリアのクイーンズランド州の最も北の地域にあるグラフトン岬(ケープ・グラフトン)周辺に住んでいる先住民、アボリジニに伝わる火の起源を伝える神話に登場する鳥。ビンジール・ビンジールという名前は「赤い尾を持つミソサザイ」という意味である。神話によると大昔、地上には火というものがまだ無かった。そこで、ビンジール・ビンジールという鳥が天上まで飛んで行って、天上にある火を取って来た。しかし、この鳥は天上から地上に帰る途中、地上にいる他の者達に火を与えまいと考え、火を自分の尻尾に隠した。そして仲間達の元に帰って来た。仲間達は帰って来たビンジール・ビンジールに火を手に入れる事は出来たかと尋ねると、ビンジール・ビンジールは火を手に入れる事は出来なかったと言って、手に入らなかったから、色々な木で火を作ってみたらどうかと提案した。そこで仲間達は色々な木の枝を持って来て、木の枝で懸命に火を起こそうとした。しかし一向に火は起こらず、しまいには仲間達は投げ出してしまった。仲間の一匹がふと振り向くと、ビンジール・ビンジールの尾の先端にいつもは無かった赤い点があるのを見つけた。その仲間は笑い出して、ビンジール・ビンジールに尾の先端に赤い点がある事を指摘した。指摘されたビンジール・ビンジールは仕方なく、本当は火が手に入っていた事を認め、仲間達にどんな木から火を起こせばいいのかを教えた。
出典:
幻想動物の事典
作者ひとこと:
ビンジール・ビンジールのデザインは、尾羽に火が灯っているミソサザイの姿に描きました。
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