ページ
▼
2019年12月15日日曜日
「ルアヒネ・マタ・マオリ」
ルアヒネ・マタ・マオリ
ニュージーランドの先住民であるマオリの民話や伝説に登場する、人食いの女怪物。ルアヒネ・マタ・マオリは人間を餌食とする怪物で、人間に警戒されない様に魔法を使って人間の姿に変化する事も出来る。しかし、この怪物の実体は巨大で醜い姿をしている。ルアヒネ・マタ・マオリは人間に変化し、相手に親切にするふりをして、犠牲者を引きつける。マオリに伝わる物語の中では、ルアヒネ・マタ・マオリのいる島に上陸してしまった人間の男「パオワ」を、人間の姿に変化したルアヒネ・マタ・マオリは一緒に食事をしようと誘った。しかしパオワは、この相手に怪しい物を感じ、危険を察して逃げた。だがルアヒネ・マタ・マオリは、魔法の赤土を自分の体に塗って海に飛び込み、泳いで、カヌーを漕いで逃げるパオワを追い掛けて来た。パオワはルアヒネ・マタ・マオリに追い掛けられて、岸の洞穴に逃げ込み、洞穴の入口に巨岩でバリケードを作り、洞穴の中で火を起こして料理を作った。パオワを追い掛けて来たルアヒネ・マタ・マオリは洞穴の中のパオワがもう逃げられないと思い、じっくり洞穴の前で待った。するとパオワがバリケードにしている巨岩の隙間から料理をルアヒネ・マタ・マオリに差し出した。料理を受け取ったルアヒネ・マタ・マオリがその料理を食べると、この怪物は、この料理を気に入った。すると洞穴の中のパオワが、今度は自分が料理を貴方の口に入れてあげようと言い、その前に、この洞穴の前の巨岩をどかすから、巨岩をどかす間は目を閉じておいてくれ、とも言った。ルアヒネ・マタ・マオリは言われた通り目を閉じて、更に口も大きく開けて、巨岩がどかされるのを待った。パオワは怪物が目を閉じているのを確認し、巨岩をどかし、更に料理だと偽って、ルアヒネ・マタ・マオリの大きく開けた口の中に赤々と燃える炭を詰め込んだ。口の中に燃える炭を詰め込まれたルアヒネ・マタ・マオリは死んでしまった。
出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)
作者ひとこと:
ルアヒネ・マタ・マオリのデザインは、トカゲの様な女性の怪人の姿に描きました。
0 件のコメント:
コメントを投稿