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2019年12月21日土曜日

「マタウ」



マタウ

ニュージーランドの先住民であるマオリの伝説に登場する巨人。マタウは人間に近い姿をした巨人で、ニュージーランドの南島の平原に住む人々を餌食にしていた。ある時マタウは美しい少女「マナタ」を攫い、彼女を魔法を使って拘束し奴隷にした。マナタの恋人である「マタカウリ」は彼女を探してあらゆる場所を探し歩いたあげく、ようやく巨人マタウがマナタを隠している場所を見つけた。しかしマタカウリの力では、どうしてもマナタを解放する事が出来なかったが、マナタの涙が彼女を拘束しているロープに落ちた時、彼女を拘束していた魔法が解けた。しかし、二人は何処に隠れても恐ろしいマタウに見つけられる事が分かっていた。そこでマタカウリはマタウを倒す事にした。マタウを探しに行ったマタカウリは、シダの茂みに覆われた山中の穴の中でぐっすりと眠っているマタウを見つけると、素早く周囲の枯れたシダに火を点けた。最初マタウは暖かさを感じて火に足を引き寄せたが、すぐに焼ける様な熱さと煙に襲われ、逃げ出す前に煙で窒息死してしまった。その後、炎があまりに激しく燃えた為に、マタウの巨大な体は溶けて、溶けた体は地面深くに染み込んだ。その体が溶けながら、どんどん沈んで行くにつれて、その場所には大きな裂け目が出来た。しかしマタウの心臓は溶けずに残り、しかも、その心臓には超自然的な力があった。その心臓の鼓動は止まらず、鼓動しながら心臓からは水が溢れ出て、マタウの体が溶けて大きな裂け目が出来た場所は湖となった。マタウが死んでから長く経った今でも心臓は水を送り出し、その湖を満たしている。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
マタウのデザインは太い尾が生えた、鬼や怪獣をイメージした巨人の姿に描きました。胸には心臓の部分にハート型の黒い模様があります。

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