ページ
▼
2020年2月25日火曜日
「寄り鯨」
寄り鯨(ヨリクジラ)
日本で信仰されている神。「寄り鯨」とは、何らかの理由により、浅瀬や岩場などの海浜に打ち上がって、自力で泳いで脱出出来ない状態の鯨の「座礁鯨」の事であるが、死亡した状態で海浜などに漂着した鯨の「漂着鯨」を意味する「流れ鯨」もまた、寄り鯨と同じく信仰された。この寄り神(流れ鯨)は、その様に海浜に漂着した座礁鯨、漂着鯨を神格化した神、そして信仰である。日本では古くから座礁鯨、漂着鯨の資源利用が盛んであり、「鯨寄れば、七浦潤す」や「鯨寄れば、七浦賑わう」などと言われ、日本各地に鯨が座礁、漂着して到来した事により、その地域が思わぬ副収入を得たり、飢餓から救われたりといった伝承が多い。その様に海浜に鯨が打ち上がると、その地域が潤う為、鯨に、いつしか日本人特有の畏怖や感謝の心が発生し、寄り鯨(流れ鯨)を信仰する様になった。この「寄り鯨」の信仰は、特に能登半島、佐渡島、三浦半島に信仰が残っている。また「寄り鯨信仰」は「寄り神信仰」の起源になったとされている。また東北、近畿、九州の各地方をはじめ日本各地では鯨自体を「エビス」と呼び、漁業の神で福の神である「恵比寿」の化身や仮の姿と捉えて神格化した。寄り鯨(流れ鯨)も同様に「エビス」と呼ばれ、鯨が海浜に漂着、座礁するのは、鯨に化身した恵比寿神が身を挺して、その地域の人々に恵みをもたらしてくれたのだと理解された。しかし地域によっては逆の解釈もあり、恵比寿神の化身である寄り鯨(流れ鯨)を食べると不漁になるという伝承も存在した。
出典:
Wikipedia(「座礁鯨」のページ)
作者ひとこと:
寄り鯨のデザインは、烏帽子を被った鯨の姿に描きました。烏帽子を被っているのは、寄り鯨が恵比寿神の化身ともされているので、恵比寿神の被っている烏帽子を意識してみました。
0 件のコメント:
コメントを投稿