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2020年10月18日日曜日

「冶鳥」


冶鳥(ヤチョウ)<治鳥(ジチョウ)>

中国に伝わる怪物、幻獣、または怪鳥。冶鳥は、越(エツ。現在の浙江省の辺り)の山奥に生息している鳥である。この冶鳥は、鳩くらいの大きさで、青い羽毛を生やした鳥である(黒い羽毛の鳥である、という説もある)。冶鳥は、山奥の大木に穴を開けて巣としており、その大木の内部の巣は5、6升の器程の大きさがあったが、巣の出口は数寸程であった。冶鳥は、その巣の周囲を紅と白に塗る習性があり、紅白の両色が同じ間隔で配置され、それはまるで、矢の的の様であった。しかし、冶鳥の生息する、越の地の木樵は、この冶鳥の巣の木を見ると、避けて通った。この冶鳥は、昼は鳥の姿であるが、夜になると人間の姿になる。人間の姿の時、その身の丈は3尺程である。人間の姿の時の冶鳥は、谷川に下りて、谷川の水に潜り、蟹を捕まえる。そうして蟹を捕まえると、冶鳥は人間の側にやって来て、人間に、自分の捕らえた蟹を火で焼いてもらうのであった。また、この冶鳥は、虎を使役する事が出来た。

出典:
プロメテウス(第十二巻:捜神記を翻訳してみた」のページ)
幻想動物の事典
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)

作者ひとこと:
冶鳥のデザインは、冶鳥が虎を使役する事から、虎と鳥が合体した様な姿の怪鳥に描きました。

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