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2020年11月20日金曜日

「蠱毒」


蠱毒(コドク)<蠱道(コドウ)、蠱術(コジュツ)、巫蠱(フコ)>

古代中国において用いられた呪術で、この蠱毒は動物を使った呪術の一種である。この蠱毒は、中国華南の少数民族の間で受け継がれている。この蠱毒の代表的な術式として、蛇、百足、蚰蜒(ゲジ)、蛙、様々な昆虫などの百虫を同じ容器で飼育し、容器の中で互いに共食いさせ、そこから勝ち残った者が神霊となる為、これを祀る。この虫の毒を採取して飲食物に混ぜ、それを食べた相手に害を加えたり、蠱毒を祀る者は思い通りに福を得たり、富貴を図ったりする。この様に蠱毒とは人を呪い殺す為の呪術である。ただし単に相手を呪い殺すだけではなく、呪い殺した者から財産を奪って自分を富ませる術でもある。また、この蠱毒をかける呪術者を「蠱主(こしゅ)」といい、蠱毒の呪いをかける為に様々な虫などの動物を飼う事を「蠱を蓄(か)う」という。古代中国において蠱毒は、広く用いられていたとされる。どのくらい昔から用いられていたのかは定かではないが、「蓄蠱(蠱の作り方)」についての最も早い記録は、中国史の中における隋代を扱った歴史書「隋書」地理志にある「五月五日に百種の虫を集め、大きなものは蛇、小さなものは虱と、併せて器の中に置き、互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。蛇であれば蛇蠱、虱であれば虱蠱である。これを行って人を殺す」といったものである。4世紀に東晋の政治家・文人の干宝(カンポウ)が著した怪異説話集「捜神記」の説によれば、蠱毒の中には怪物がおり、鬼の様ではあるが、形は様々に変化し、蠱主だけがその形を知っている、とある。もし人が蠱毒の毒に当たってしまうと、現れる症状は様々であるが「一定期間の内にその人は大抵死ぬ」と記載されている。蠱毒の毒に当たってしまった時、その毒を取り除く効果を持つ物として、茗荷(みょうが)の根がある蠱毒の毒に当たってしまった人に茗荷の根を飲ませると、体内の蠱毒による毒素を除去するばかりではなく、その蠱毒の蠱主の名前が分かる。蠱主の名前が分かれば、この人が誰であるかを追求し、蠱毒の原因を取り除く事が出来る。中国の法令では、蠱毒を作って人を殺した場合、あるいは、殺そうとした場合、また、これらを教唆した場合には死刑にあたる旨の規定があり、唐の高宗の永徽3年(652年)に編纂された唐律の注釈書「唐律疏義」巻18では絞首刑、中国明朝の法令「大明律」巻19、中国清代の法典「大清律例」巻30では斬首刑となっている。

出典:
Wikipedia
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)

作者ひとこと:
蠱毒のデザインは、鬼や妖怪と虫を合体させた様な姿の怪物に描きました。

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