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2020年11月29日日曜日

「火烏」


火烏(カウ)<三足烏(サンソクウ)、日烏(ニチウ)、金烏(キンウ)>

中国神話に登場する幻獣、または霊鳥。火烏は、太陽の中に棲んでいる烏で、太陽を象徴する存在であるとされている。この火烏は三本の脚を持っており、またその全身が金色に光り輝いているとされている事もある。なお、元々この火烏は二本脚の姿で表されていたが、古代中国の文化圏で広まっていた陰陽五行説では偶数を陰、奇数を陽とする考え方があり、三という数字は陽の数であり、また火烏も太陽に棲んでおり、陽の精とされていた為、この火烏の脚の数も太陽と繋がりがある陽の数の三本脚という姿へと変わっていったという。また、太陽の中に黒い烏が棲んでいるというのは、太陽の黒点を表しているという説もある。神話によれば、火烏は太陽を自らの背に乗せて天空を移動する(ただし、別の説では、太陽は龍が駆る車で移動しているという神話もある)と言われている他、火烏は、西方にある崑崙山(コンロンサン)という山岳にいる女神「西王母(セイオウボ)」に食事を運ぶ役目を担っていたとも言われている。前漢時代の皇族・学者である「劉安(リュウ アン)」が学者を集めて編纂させt思想書「淮南子」によると、広々とした東海の畔に「扶桑(フソウ)」という神樹が生えており、その扶桑に十羽の火烏が棲んでいるという。この十羽の火烏が順番に空に上がり、空に上がった一羽が口から火を吐き出すと、その火は太陽になるという、とあり、ここでは火烏は太陽を生み出す存在だとされている。また別の神話では、大昔には10個の太陽が存在しており、1個の太陽だけが空に浮かんで大地を照らし、残りの9個の太陽は湯谷という所で空に出る順番を待っていた。しかし、古代中国の神話時代の帝王である「堯(ギョウ)」の御世に、10個の太陽が一度に全部、天に現れるという事件が起こり、その為に10個の太陽の熱で地上は灼熱地獄と化し、草木が枯れ始めた。この事態を受け堯は、弓の名手である「羿(ゲイ)」に命じて、羿に10個の太陽の内、9個の太陽に棲む9羽の火烏を射落とさせた。これ以降、太陽は現在の様に一つだけになったという。

出典:
Wikipedia(三足烏」のページ)
ピクシブ百科事典
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)

作者ひとこと:
火烏のデザインは、光背の様に後ろに太陽を背負っている、頭に冠を被った三本脚の烏の姿に描きました。

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