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2020年11月30日月曜日

「視肉」


視肉(シニク)

中国に伝わる怪物、または怪生物。この視肉は、土中に産する肉の塊の様なものである。この視肉は肉塊の様なもので、牛の肝臓の様な形をしており、二つの目を持っている。この肉の塊は生きた生命体であり、この視肉の肉の一部を切り取っても、その切り取った部分は再生して、元の切り取る前の様に戻ってしまう。また、この視肉は食べる事が出来、この視肉の肉の一部を切り取って食べても、食べた分、視肉は再生して元に戻ってしまう。つまり、この視肉は、いくら食べても減る事のない肉塊なのである。この視肉自身は大地の精気を養分として生きているのだという。古代中国の地理書「山海経(センガイキョウ)」には、この視肉の記載が多くみられ、視肉は様々な場所に生息していた事が伺えるという。やはり、山海経に記載されている視肉の特徴は「食べても尽きず、しばらくすると元に戻っている」や「一片食べると、その分元に戻っている」という特徴が記載されている。また、この視肉は古代中国の帝王達が養生の為に好んで食べたと言われている。古代中国の神話時代の帝王達は、黄帝(コウテイ)も堯(ギョウ)も舜(シュン)も禹(ウ)も、皆百歳以上生きており、彼等は皆、視肉を食べていたという。昔の人々は視肉を食べると寿命を百歳以上に伸ばす効能があると信じており、その為、中国歴代の帝王達は皆、視肉や、この種の不老長寿の仙薬を探し求めたという。

出典:
プロメテウス
ピクシブ百科事典
幻想世界の住人たちⅢ<中国編>(新紀元社)
「世界の神々」がよくわかる本(PHP文庫)

作者ひとこと:
視肉のデザインは、二つの目を持っている肉の様な姿に描きました。

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