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2021年3月6日土曜日

「ピー」


ピー

タイの伝統的な伝承、信仰に登場する存在。「ピー」とは、タイ語において「精霊、妖怪、お化け」の類を説明する為に用いられる言葉である。ピーが一般的にどのようなものを指すかというのは、人によって考えに相違があり、一定のイメージは存在しないであろうと言われている。しかし、大まかに分けて解説をすると、バンコクなど都市部では、ピーについて話すと、映画などで現れる死霊がイメージされる場合が多い。なお、英語の「ghost」や日本の霊、お化け、妖怪の類はタイ語ではこの語を用いて表現される。他方、農村部でのピーは、日本で言う、霊、妖怪、小さき神々の総体として存在し、民間信仰の神々としてのイメージが現れてくる。その様なピーには荒神的な性格があり、人々の生活を守護すると同時に、不敬な行いに対しては祟る事がある。一方でピーには自然霊、悪霊、浮遊霊の様なイメージもあり、日本の妖怪の様な性格を持つ。ピーは実体のないものとして存在される場合もあるが、稀に実体を伴っている場合もある。そのピーを信仰する「ピー信仰」は、アニミズム(精霊信仰)の一種である。このピー信仰は、バラモン教、仏教などの外来宗教の伝来以前からタイ族全般に存在したとされる信仰の形態であり、現在でも外来宗教の影響を受けながらも、タイ族の基層の信仰として根強く残っている。ピーの種類は人間へ善行を成すか、悪行を成すかによって大きく、悪霊と善霊に分かれる。善行を成すピーは「テーワダー(諸神)」と同一視される場合があり、一方で、人々から祭祀されない霊が悪霊に変ずるとの見方もある。また、ピー達の間には階層があり、階層間移動も行われる。例えば、浮遊霊は、霊威を見せる事で祠に祭祀される事がある。一方、国の守護霊「ピームアン」であっても、時と共に名を忘れ去られ、人々から祭祀されなくなってしまう事もある。また、ピーは様々な現象を説明する為に用いられる事もある。国、村、個人の盛衰、不幸、病気、天災などはピーに関わるものとして理解される。例えば、村の守護霊であるピーへの供物の不足は、このピーの守護の低下をもたらし、村外の悪霊を村の中に招き入れる事になる。そうして村の中に入って来た悪霊は、天災、不幸な事故、悪疫の流行をもたらすと考えられている。また、植物が腐ったり、人間などが病気になったりする事を「霊が入る(ピー・カオ)」と表現する事がある。特に、病院にいてもなかなか治らない病気はピーによるものと考えられ、憑依儀礼や薬師による治療の対象とされる。

出典:
Wikipedia(「ピー信仰」のページ)

作者ひとこと:
ピーのデザインは、踊る棒人間の様な姿が描かれている多面体の石の様な感じに描きました。これは、奉られているピーのイメージで描いたもので、祠に奉られている感じをイメージしてみました。

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