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2021年6月3日木曜日

「作神」


作神(サクガミ)

日本で信仰されている神。作神は稲作の神であり、農作の守護神であるともされている。稲そのものの霊である「稲霊(イナダマ)」と、農作物を守り育てる豊穣神の両方が作神として祀られる。このため様々な神が作神として崇拝される。「荒神(コウジン)」、「恵比須(エビス)」、「大黒天(ダイコクテン)」などが作神として祀られている地域もあるし、「亥の子(イノコ)」、「丑の日様(ウシノヒサマ)」、「三祓様(サンバイサマ)」などと呼ばれるところもある。基本的には、作神は春になるとそれまでの御座所(山の中か、屋敷の中)から出て、田に降りてきて、秋になると田から上がって元の場所に戻る。長野県では案山子が作神の姿だと考えて、10月10日には案山子に蓑笠を着せて土間に据え、その案山子に餅や御馳走を供える。京都など西日本では作神は「ツクリガミ」といい、正月7日早朝に降って来られる神といい、冬には山の神、春から秋にかけては田の神になるという。東北地方では作神は「農神(ノウガミ)」ともいい、3月16日に降り、9月16日に天上する神といわれ、この作神は山の神でもある、とも言われている。また養蚕の神である「オシラサマ」も作神と関係が深く、作神と同じ時期にオシラサマも天と地上を昇り降りされると言われている。岩手県では農神様(作神)は、穀物の種を持って天から降って来られると言われ、早朝に木の葉を焚いて合図の煙を上げる所がある。また、この作神は、旧暦の2月5日に餅をつく杵の音を聞いて降って来て、10月15日に杵の音に送られて帰る神であるとも言われている。また作神には、目や手が悪いという伝承があり、荒神や「事の神(コトノカミ)」との関連が考えられる。また、作神がとても醜いという伝承からは、「竃神(カマドガミ)」との関連も疑われる。

出典:
東洋神名事典(新紀元社)
コトバンク

作者ひとこと:
作神のデザインは、頭の左右に稲穂を角髪の様にして付けている神の姿に描きました。イメージとしては、稲の霊である稲霊が進化、または成長すると作神に変化する感じです。

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