ページ

2021年6月4日金曜日

「油日大神」


油日大神(アブラビノオオカミ)

日本で信仰されている神。油日大神は、油売りの守護神ともされている神である。古来より油は食用や燃料として利用されてきた。しかし、昔は油の種類は荏胡麻か菜種の油がほとんどで、価格も高かった。その用途も食用よりも照明用燃料としての割合が高く、灯芯(とうしん。灯明皿の油を燃やすための芯)を三本使う嫁は贅沢者といわれ、時には離縁されることすらあったという。油日大神は、そんな高価な品物である「油」を扱う油売り達からの信仰を集めた神である。この油日大神を祀る油日神社(滋賀県甲賀市甲賀町油日)は、「近江(現在の滋賀県)」、「伊勢(現在の三重県の大部分)」、「伊賀(現在の三重県西部)」の三国の境に位置する「油日嶽(あぶらびだけ)」の麓に位置している。山麓に存在する多くの神社と同じく、油日神社の祭神である油日大神は、本来は、この油日嶽を神格化した神であったと思われる。それが、その神名に「油」が、そして「火」に通じる「日」が含まれていたことから、油売りの守護神として、油売り達からの信仰を集めるようになったのだろう。

出典:
東洋神名事典(新紀元社)

作者ひとこと:
油日大神のデザインは、頭に油が入っていて火が灯っている灯明皿をのせており、雲に乗っている姿の神に描きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿