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2021年6月10日木曜日

「一反木綿」


一反木綿(イッタンモメン)

日本に伝わる妖怪の一種。一反木綿は、鹿児島県肝属郡高山町(現在の肝付町)に伝わる妖怪である。約一反(長さ約10.6m、幅約30㎝)の木綿の布の様なものが夕暮れ時や夜間にヒラヒラと飛んで、人間を襲うものである。人間に襲い掛かると、その人間の首に巻きついたり、顔を覆ったりして窒息死させてしまう。また時には、巻かれた反物の様な状態でクルクル回りながら素早く飛来し、人間を体に巻き込んで空へと飛び去ってしまう事もあるという。また、ある男が夜に家路を急いでいたところ、白い布が飛んで来て、男の首に巻きついて来た。男が脇差しで、この布を斬り付けたところ、その布は消え、男の手には血が残っていた、という話もある。この一反木綿の出没が伝えられている地方では、子供が遅くなるまで遊んでいると「一反木綿がでるよ」と言って戒める風習もあったそうである。また、肝付町では一反木綿がよく現れると言われる神社があり、子供達がその神社の前を通るときには、上空を舞う一反木綿が最後尾の子供を襲うと信じられていたため、子供達は誰よりも先に走って通り抜けたという。この一反木綿の出現時は夕暮れ時とされるが、かつてこの時間帯は親が農作業などで一日中働いており、子供に目を配る事が出来ない事から、一反木綿の話をして、遅くまで遊んでいては危ないと戒めていたものと見られている。また、この伝承地では土葬の際に木綿の旗を立てて弔う風習があり、この旗が風で飛んで空を舞う事もあったであろう事から、これが木綿の布の妖怪という伝承に繋がったものとも推測されている。

出典:
Wikipedia
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
一反木綿のデザインは、多数の目と口がある布の姿の妖怪に描きました。多数の目と口で、この一反木綿の人間を襲う凶暴さを表現しています。

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