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2021年6月11日金曜日

「布がらみ」


布がらみ(ヌノガラミ)

日本に伝わる妖怪の一種。布がらみは、青森県三戸郡田子町長坂に伝わる妖怪である。昔、長坂に布沼という大きな沼があった。この布沼には「布がらみ」という奇怪な主が棲むと言われ、人々から怖れられていた。この布がらみは、布に化けて沼の畔の垣根にかかり、人がそれを見て、取ろうとすると、たちまち伸びて人に絡みつき、そのまま沼に引き込んだ。この布がらみに妻と娘を沼に引き込まれた男が、この主を退治しようと決心し、神の御告げによって、鳩の卵を1つ持って布沼に出かけた。男が沼の畔で一心に神に祈っていると、沼がにわかに音を立てて水がざわめいた。その瞬間、男が鳩の卵を割って沼に投げ込むと、大音響とともに、布がらみの死体が浮かび上がったという。村上健司編、水木しげる画「日本妖怪大事典」によれば、沼の主という事から、蛇の様なものではないかと推測している。

出典:
妖怪邸・妖堂 日記帳
日本妖怪大事典(角川書店)

作者ひとこと:
布がらみのデザインは、反物の様な布の様な体の、大蛇の様な姿の妖怪に描きました。

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