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2022年7月14日木曜日

「ハルピュイア」


ハルピュイア<ハーピー、ハルピー>(複数形「ハルピュイアイ」)

ギリシア神話に登場する幻獣、または怪鳥の一種。ハルピュイアという名前は「掠める女」を意味する(「ひったくるもの」という意味であるという説もある)。ハルピュイアは女面鳥身の怪物で、人間の女性の頭に鳥の体、または有翼の乙女の姿をしているとも言われている。または、人間の女性の上半身に鳥の翼と鳥の下半身を持った姿をしているとも言われる。このハルピュイアは、男神の「タウマース」と、タウマースの妻である女神「エーレクトラー」の間に生まれた娘で、ハルピュイアは、虹の女神「イーリス」の姉妹である。ハルピュイアは、英雄「イアソン」による[アルゴー号の探索(アルゴナウタイの冒険)]に登場し、罪を犯した「ピーネウス」を苦しめるエピソードが有名(盲目になったピーネウスのもとに食事が用意されると、ハルピュイア達が空から飛び降りて来て、この食事をさらってしまうようになった。残った食べ物も臭気に満ちて食べる事が出来なかった)。他にもハルピュイアは、アイネイアースの放浪譚に登場している。このハルピュイアは、冥界の王「ハデス」または主神「ゼウス」、ないし復讐の女神達「エリニュス」の手下とされる。ハルピュイアの性格については、不潔極まりないともいわれており、食卓の上に美しく並べられた料理をめちゃくちゃにし、排泄物を撒き散らすとも言われている。またハルピュイアは、いつも腹を空かせている為、顔は青白く、食べ物を見ると奪い合いながら貪り食うともいう。また、その体からは悪臭を放ち、不快な声を常に発しているとも言われている。神話によっては、ハルピュイアは「アエロー(疾風)」「オキュペテー(速く飛ぶ女)」の二姉妹であるとも、「ケライノー(黒い女)」を加えた三姉妹であるとも言われている。またそこに、さらに「ポダルゲー(足の速い女)」を入れた四姉妹であるとする場合もある。ハルピュイアは、ダンテの叙事詩「神曲」地獄篇の中では、地獄第七圏第二の環「自殺者の森」において、自ら命を絶った者が変容した樹木を啄む怪鳥として描写されている。このハルピュイアは本来、風の精で、つむじ風や竜巻の様な、地上の物体や人間を攫って空に持ち上げ運ぶ現象を具現化した存在である。また、墓場においてハルピュイアに供物を捧げる習慣があり、死者の霊とも見做された様である。

出典:
Wikipedia
幻想世界幻獣事典(笠倉出版社)
図説幻獣辞典(幻冬舎コミックス)

作者ひとこと:
ハルピュイアのデザインは、女性の頭と、鳥の体を持った姿に描きました。

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