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2022年10月25日火曜日

「日光菩薩」


日光菩薩(ニッコウボサツ)

仏教の信仰対象である菩薩の内の一尊。日光菩薩は、サンスクリット語での名前を「スーリヤプラバ」という。日光菩薩は、「月光菩薩(ガッコウボサツ)」と共に「薬師如来(ヤクシニョライ)」の脇侍をつとめ、日光菩薩と月光菩薩は、薬師如来の両脇を固めている。この日光菩薩は、強烈な日の光と力で、あらゆる病気の根源を焼き尽くし、人々を救うとされる菩薩である。日光菩薩は、薬師如来の脇侍として、昼間、信仰者を守護する。「薬師経疏(やくしぎょうしょ)」には、修行者時代の薬師如来が重病の人々を救うという大悲願を発し、医王の号を与えられた際、その薬師如来の子供である「日照(ニッショウ)」が、父に次いで菩薩になったとある。日光菩薩は、薬師如来の左側(向かって右側)に位置し、日輪、もしくは蓮華茎(れんげけい)上に乗せた日輪を持つ。持物を持たない場合は、薬師如来のどちら側に位置するかで、その尊名を知る事になる。日光菩薩と月光菩薩は、それぞれ「日光遍照(ニッコウヘンジョウ)」「月光遍照(ガッコウヘンジョウ)」ともいう。「薬師如来本願経(やくしにょらいほんがんきょう)」では、日光菩薩は、1000の光明を発して天下をあまねく照らして、生死や諸苦の闇を消滅させ、月光菩薩は月の光の象徴として、両菩薩ともに薬師如来の薬師瑠璃光浄土(やくしるりこうじょうど)に住し、如来の説く正しい教えを守る役目を担うとされる。したがって一般的には、病を癒すとされる薬師如来の脇侍として登場し、薬師三尊を構成する事で知られるが、単独で造像される事はほとんどない。その姿は、日光菩薩が右手を上げて左手を下げる場合は、月光菩薩が左手を上げるという様に、対称的な姿に造られ、それぞれ上げた手(または両手)の親指と人差し指で輪をつくる事が多い。また宝冠に日・月を示す日輪・月輪という標識を付け、手に日輪・月輪のある蓮華を持つ事もある。作例では、奈良・薬師寺金堂の銅造薬師三尊像の両脇侍立像が特によく知られる。また奈良・東大寺法華堂の塑像は、両手を胸前で合わせる姿の像で、当初から日光・月光菩薩として表されたかは定かでないが、清楚で穏やかな姿は、とりわけ知られた名像である。この他、平安時代の京都・醍醐寺像、奈良・法隆寺大講堂の木彫像は、やはり薬師三尊を構成する脇侍の遺例として重要である。

出典:
エソテリカ事典シリーズ(1)仏尊の事典(学研)
仏教画伝極彩色で蘇った一〇八の仏尊(GB)

作者ひとこと:
日光菩薩のデザインは、太陽の上に乗り、手に日輪を持った姿の菩薩に描きました。

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