金剛薩埵(コンゴウサッタ)
金剛薩埵の「金剛」はサンスクリット語の「ヴァジュラ」の訳で、「薩埵」は「サットヴァ」の音写である。ヴァジュラは、金剛杵という古代インドの武器で、仏の知が堅固なことを象徴し、その威力であらゆる煩悩を破壊する。サットヴァは、勇猛果敢なこと。即ち、金剛薩埵とは、不動堅固な菩提心(仏の悟りを求める心)を象徴する尊格である。つまり、密教において、一切の衆生が菩提心を起こすきっかけをつくる菩薩で、「大日如来(ダイニチニョライ)」の教えを衆生に伝授する役割を担い、人々の発心をうながす、重要な仲介者でもある仏である。密教では、大日如来の教えを受けた密教第2祖として崇敬されているほか、大日如来の母たる存在としても信仰され、「普賢菩薩(フゲンボサツ)」と同体ともされる。金剛薩埵の像の形は、右手に五鈷杵、左手に五鈷鈴を持つ姿に表される場合が多いが、左手で拳をつくり、右手は胸の前にあげて三鈷杵を持つ姿でも表される。
出典:
エソテリカ事典シリーズ(1)仏尊の事典(学研)
作者ひとこと:
金剛薩埵のデザインは、手に五鈷杵と五鈷鈴を持った菩薩の姿に描きました。
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