ページ

2024年7月31日水曜日

「立切池の主」


立切池の主(タチギリイケノヌシ)

茨城県東町(現・稲敷市)の立切池のぬしで、大きな鰻だという。昔、長兵衛という男が、池に大きな鰻がいるのを発見し、弓を射かけたところ片目に当たり、捕らえる事が出来た 家で焼いてみたが七日七晩のあいだ、全く焼ける気配はなかった。恐ろしくなって池に還すと、するすると泳ぎ出して去ったという。人間に片目を射られて捕られて以後、立切池の鰻は、ぬし以外もみんな片目になったと語られていた。男が池で大鰻を見つけた。持ち帰り七日七晩焼き続けたが焼き上がらなかった。鰻は池の主かもしれないと思った男は、池に鰻を還すと、鰻は元気になった。男は祟りを怖れて、近くにお宮を建てた。それからこの池の鰻は全て片目鰻となった。

出典:
怪異・妖怪伝承データベース
日本怪異妖怪事典 関東(笠間書院)

作者ひとこと:
立切池の主のデザインは、片目に矢が突き刺さっている大鰻の姿に描きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿