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2019年10月5日土曜日

「サギネ」



サギネ

オーストラリアの先住民であるアボリジニが崇拝する、大蛇の姿をした虹の精霊「虹蛇(ニジヘビ、レインボー・サーペント)」の内の一種。サギネを信仰し、その伝承を伝えているのはオーストラリア北部のアボリジニである。伝説では、ある時、二人の幼い少年が、大人の男達が北の浜辺へ狩りに行くのに同行する事を許可された。北の浜辺に到着すると少年達は一日中キャンプの側にいなくてはならないと男達に言い聞かされた。二人は今まで海を見たことがなく、海で釣りがしたかったので、とてもがっかりした。しかし男達は少年達に海は非常に危険だと言い聞かせた。しかし男達が狩りに出掛けて行くと二人の少年は好奇心を抑えきれず、見るだけなら危なくないと考え、海岸に行き波が寄せる海を見ていた。この日はとても暑い日だったので、二人は海に入った。海に入った二人は水中に黒い渦巻きを見つけた。二人はそれが何か知る前にサギネに巻き付かれ、海の深みに引きずり込まれた。狩りから戻って来た男達はキャンプに少年達がいない事に気づき、少年達の足跡を見つけた。男達が少年達の足跡をたどって海岸までやって来ると、その海岸に以前はなかった二つの小さな岩があるのを見た。二つの岩を見た男達は口々に、サギネが少年達を攫(サラ)って二人の少年を岩に変えてしまったのだと言いあった。その時、男達の目の前の海中から体が七色に彩られたサギネが飛び上がり、二つの岩の上をアーチ形になって飛び越して、再び、海中深くに泳ぎ去って行った。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
サギネのデザインは、魚と蛇が合わさった様な姿に描きました。

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