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2019年10月6日日曜日

「ジュラワドバド」



ジュラワドバド

オーストラリアの先住民であるアボリジニの中でも、オーストラリア北部のアルンヘムに住むグンウィング族の伝説に登場する蛇人間。天地創造の時代「ドリームタイム」に、ジュラワドバドは、とある人間の女性を妻にしたいと願うが、相手の女性はジュラワドバドを拒み、その上、女性と女性の母親はジュラワドバドを笑いものにした。それから程なくして女性は水棲の蛇人間「ブルグ」と恋仲になり、それを知ったジュラワドバドは正気を失い、その女性とその母親に復讐の計画を立てる。ある時、その母と娘が食べ物を探して歩き回っていたところ、ジュラワドバドは先回りして中が空洞になった大きな丸木の中にするすると入り込んだ。そうとは知らない娘は目を凝らして、その丸木の空洞を覗き込み食べ物を探した。ジュラワドバドは目を閉じて、丸木の中にいかにも食べ物が隠されていそうな雰囲気を装った。今度は娘の母親がやって来て、丸木の空洞を覗き込んだ。ジュラワドバドは母親が覗き込んだ時に、思い切り目を見開いた。それを見た母親は、丸木の空洞が向こう側まで突き抜けて太陽の光が漏れているのだと信じ込んだ。母親と娘は丸木の空洞に手を差し込んで、中に食べ物があるか探したが、空洞の中にいるジュラワドバドは差し込まれて来た母親と娘の手に噛み付き、母親と娘の二人とも殺してしまった。この伝説は、グンウィング族の人々に雨乞いの儀式として演じられている。

出典:
世界の怪物・神獣事典(原書房)

作者ひとこと:
ジュラワドバドのデザインは、蛇の頭と下半身のある人間の姿に描きました。

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