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2021年6月21日月曜日

「イクチ」


イクチ

日本に伝わる海の幻獣、または妖怪の一種。イクチは、津村淙庵(つむら そうあん)による「譚海」、根岸鎮衛(ねぎし しずもり)による「耳袋」などの江戸時代の随筆に記述がある。「譚海」などによれば、このイクチは常陸国(現在の茨城県)の沖にいた怪魚で、その体長が2km(数千km、という説もある)にも及ぶ巨体を持つ鰻の様な姿をした怪魚である。このイクチは嵐、または大風の日に現れ、沖を行く船を見つけると接近し、その船をまたいで通過して行くが、体長が2km~数千kmにも及ぶため、船の上を通過するのに12刻(3時間弱)から時には数日もかかる。しかもイクチの体表からは粘着質の油が止め処なく染み出しており、イクチが船をまたぐ際にこの油を大量に船上にこぼして行くので、うっかりしていると船がこの油で沈没してしまう。だから、このイクチに遭遇したら、その船の船頭や船乗り達は黙って笠などでイクチの体表からこぼれる油を汲みだし、海に捨てるものだとされる。「耳袋」ではイクチは「いくじ」の名で述べられており、西海から南海(近畿地方、九州)にかけて時折現れ、船の舳先などにかかるものとされている。これは鰻の様に非常に長いもので、船を通過するのに2、3日もかかるとあり、「いくじなき」という俗諺は、これが由来とされている。また同書では、ある人物が「豆州八丈(現在の東京都八丈島)の海に、いくじの小さいものと思われるものがいるが、それは輪になる鰻状のもので、目や口がなく動いているものなので、船の舳先へかかるものも、長く伸びて動くのではなく、丸くなって回るものだ」と語ったという。鳥山石燕(とりやま せきえん)は「今昔百鬼拾遺」で「あやかし」の名で巨大な海蛇を描いているが、これはこのイクチをアヤカシ(海の怪異)として描いたものである。平成以降では、イクチを怪魚ではなく巨大なウミヘビとの解釈や、海で溺死した人間達が仲間を求める姿がイクチだとの説もある。鳥山石燕による妖怪画が未確認生物(UMA)の「シーサーペント」と酷似している事から、イクチをシーサーペントと同一のものとする指摘もある。

出典:
Wikipedia
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作者ひとこと:
イクチのデザインは、頭に目も口も無い、巨大な鰻や海蛇の様な姿の怪魚に描きました。

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