延烏郎(ヨンオラン)
朝鮮半島の新羅(シルラ。古代の朝鮮半島南東部にあった国家)の神話に登場する太陽神。延烏郎の妻は月の女神「細烏女(セオニョ)」。神話によると、延烏郎と細烏女は夫婦で、新羅の東海に面した海辺で暮らしていた。新羅の阿達羅王八年(四年とも言われている)のある日、夫の延烏郎が海で海藻を採っていると、突然、延烏郎が乗った岩が動き出し、岩は上に延烏郎を乗せたまま、彼を日本に連れ去った(突然、大魚が現れて延烏郎を日本へと連れ去ったと言う説もある)。日本へと着いた延烏郎を見て、日本の人々は非常に驚き、延烏郎を凡人に非ずと思って、彼を王として迎えた。一方、細烏女は夫の帰りが遅いので、海辺を捜し歩いた。すると、ある岩の前で夫の鞋を見つけたので、その岩に登ると、その岩もにわかに動き出して、上に乗っている細烏女を日本へと連れて行った。細烏女が日本に着くと、不思議な女人が現れたという事で、人々は彼女を王である延烏郎の御前に連れて行った。そこで延烏郎と細烏女の夫婦は巡り会い、細烏女は王妃に迎えられた。その頃、新羅では太陽と月の光が失われ、突然真っ暗になったので大騒ぎになっていた。預言者は「新羅に天降っていた日月の精が、日本に渡ったのでこの様な異変が起こった」と新羅の王に上奏した。新羅の王は早速、日本に使者を派遣した。二人を呼び戻す為である。日本にやって来た使者に延烏郎は「私がここに来たのは天の思し召しであり、帰るわけには行かないが、私の妃である細烏女が織った細絹(うすぎぬ。絹織物)を持ち帰って天を祀れば、その異変に効果があるであろう」と言い、使者に細烏女が織った細絹を与えた。使者が新羅に帰って来ると、新羅では、延烏郎の言葉通りに、使者が持ち帰って来た細烏女が織った細絹を供えて天を祀ると、日月は光を取り戻し、再び明るくなった。
出典:
Wikipedia(「迎日湾」のページ)
東洋神名事典(新紀元社)
世界の神話伝説・総解説(自由国民社)
作者ひとこと:
延烏郎のデザインは、頭に冠を被り、背中に光背のある神の姿に描きました。
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