ピュトン<ピュートーン>
ギリシア神話に登場する怪物、または幻獣の一種。ピュトンは、巨大な蛇の怪物である。このピュトンは雄蛇だとされるが、「ホメーロス風讃歌」の「アポローン讃歌」によると雌蛇だとされる。絵画などでは、脚のないドラゴンの様な姿で表される事もある。ピュトンは地母神「ガイア」の子供であり、母であるガイアの神託所「デルポイ」を守る番人でもあった(「ウラノス(天空神)」とガイアの娘「テミス(法・掟の女神)」がデルポイで神託を授けていたが、元々はピュトン自身が神託を授けていたとする説もある。また、ピュトンがガイアの代理として、デルポイを支配していたとも言われている)。また、「デウカリオーン」の大洪水後に残った泥からピュトンは生まれた、とも言われている。ピュトンは、デルポイの神託所をすっぽり巻ける巨体を持つとも言われている。ピュトンは後に、「アポロン」によって倒され、以降デルポイはアポロンの神託所となり、アポロンがテミスに代わって神託を下すようになった。ピュトンはまた、怪物「テュポーン」の乳母を務めていたとも言われている。ピュトンは、自分が女神「レト」の子によって死ぬという予言を受けた。そこでピュトンは、アポロンと「アルテミス」を身籠もっていたレトを追い回し、彼女を殺そうとした。一説には大地の端から端までレトを追い回したピュトンは、レトに嫉妬した女神「ヘラ」がレト抹殺のために送り込んだとも言われている。しかしレトは、主神「ゼウス」や海神「ポセイドン」らの助けによって無事出産する事が出来た。アポロンはレトから生まれた当日、または4日目で弓矢を執り、ピュトンを倒して母の恨みを晴らしたのだという。パウサニアスによれば、ピュトン退治は、アポロンとアルテミスによって行われ、ともに穢れを祓うためにアイギアレイアへ向かったとしている。アポロンは、倒したピュトンの亡骸を手厚く扱い、デルポイのアポロン神殿の聖石「オムパロス」の下の地面の裂け目に葬った。オムパロスとは「へそ」の意で、同地が世界の中心たることを示すと言う。また、ピュトンのために葬礼競技大会「ピューティア大祭」の開催を定め、新たに開いた自分の神託所の巫女にも「ピューティアー」を名乗らせた。デルポイで巫女達がトランス状態に陥るのは、地底からピュトンが吐き出す霊気によるもの、またはピュトンの死体から発生したガスによるものだとされる。異説として、ピュトンとは、テュポーンがゼウスと戦って勝利し、ゼウスの腱を切って「コーリュキオン洞窟」に隠した後に、その洞窟の番人をした「デルピュネー」の事を指しているとも言われている。
出典:
Wikipedia
作者ひとこと:
ピュトンのデザインは、大蛇の姿をしたドラゴンに描きました。
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